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前回お伝えした、内閣府において発表された「中長期の経済財政に関する試算」について。

前回は、今回の試算に当たって

メインシナリオは

GDP名目成長率が3.6%
GDP実質成長率が2.1%
物価上昇率は2.0%

というシナリオで作成されています。

ちなみに慎重シナリオでは

GDP名目成長率が2.1%
GDP実質成長率が1.3%
物価上昇率は1.5%

と控えめに作成されています。

そして例えば2001年~2010年の実績値は

GDP名目成長率が▲0.1%
GDP実質成長率が0.9%
物価上昇率は▲0.2%

 
ということで、実績値と比較してもかなり楽観的なシナリオ作成によって今回の議論が進んでいると言う指摘をしました。

そして試算の結果は

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1.メインシナリオ(経済再生ケース)
 
国際公約をした2015年で財政赤字半減についてはかろうじてクリア
(2015年にはGDPの▲3.2%に収まる、国際公約は▲3.3%)

国際公約をした2020年に基礎的財政収支はゼロにすることは難しい
(2020年にはGDPの▲1.9%の赤字)

長期的な国・地方の債務残高は対GDP比で減少傾向


2.慎重シナリオ

国際公約をした2015年で財政赤字半減についてはかろうじて未達
(2015年にはGDPの▲3.4%になる、国際公約は▲3.3%)

国際公約をした2020年に基礎的財政収支はゼロにすることは不可能
(2020年にはGDPの▲3.1%の赤字)

長期的な国・地方の債務残高は今後も対GDP比で増加傾向

という結果になっています。

今回の試算では当然今後の消費税の増加、財政の圧縮などの話は折り込まれている話ではあります。


ここからは完全に筆者の意見ですが、

①成長のシナリオが甘い

2001年~2010年の実績値を見ても明らかですが、メインシナリオにしても慎重シナリオにしてもこれまでの日本の経済成長からするとかなり高い設定になっています。

アベノミクスでこれらのシナリオを実現すると言う話ではありますが、肝心の第3の矢「成長戦略」が全くの足踏み状況で、経済成長に必要とされる施策が打ち出されているようには到底感じられません。


②物価上昇シナリオは妥当か?

今回のシナリオで物価上昇は、日銀が宣言している「物価2%上昇」を前提条件としています。「物価2%上昇」は日銀の審議委員の中でも意見が分かれるところであるぐらい達成には疑問符がついています。

個人的には日銀の金融政策によって2%を達成することは可能であるとは思いますが、その時に長期金利をはじめとする金融環境が落ち着いているかどうかには疑問符が付きます。
(つまり急激な長期金利上昇が不安材料であると言う事です)
 
③経済成長を果たせば長期金利は上昇する

今回のシナリオで長期金利の推移は

2014年 1.0%
2015年 2.1%
2016年 2.4%
2017年 2.8%
2020年 4.0%

と徐々に上昇していくシナリオを描いています。
 
もちろん長期金利自体が上昇していくことは経済にとって必要な事でもあり景気回復の証のようなものですが、一方で住宅ローン負担者である個人について心配をしてしまいます。
 
多くの個人は変動金利で住宅ローン借り入れを行っており、今回のシナリオ通り金利が上がっていくとすると、この7年間で3%以上の金利負担が重くなり、これは個人消費にかなり大きな影響を与えると考えられます。

もしも素直にこのシナリオを信じるのであれば、個人投資家の皆さんは、株式を購入し、住宅ローンを固定に切り替えておいた方が良いと思いますよ。

④今後も増税は避けられない

いずれにしても、経済が回復しなくても回復しなくても、現状のままでは財政赤字を解消するような状態には程遠いと言う事が明らかになりました。

今後は社会保障政策の見直しと同時に、やはりどうしても増税は避けられそうにもありません。

個人の皆さんは増税を前提に保守的なライフプランを検討して対策を進めておくしかなさそうです。

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財政経済諮問会議の内容

2014.02.13(Thu)

 先月20日に内閣府において「中長期の経済財政に関する試算」が財政経済諮問会議の中で提出されて議論されています。

 私はいつもブログやフェイスブックなどで、こうした財政経済について記述しても、あまり興味関心がないのか、反応が極端に薄くなると言う経験をしておりますが、それでも日本の財政健全化については興味を持ち続け、読者の皆さんにもお伝えしたいと思っております。

 なぜ日本の財政に注意を払っているのかと言えば、日本の財政については「危機的状況」と叫ばれながらも何とか維持されているのは、国民負担(要するに税とか社会保障負担)を将来重くすることが予想されていて、それに対して国民が耐えうるという条件を前提としているのであり、一人一人の国民生活(ライフプラン)が大きく変化する要因として重要だと考えているからです。

 たまに経済専門家や政治家の中でも

「日本の国債消化はほぼ国内で消化されているので問題はない」
とか
「日本は対外純債権国なので問題がない」

とかいう議論を展開される方がいらっしゃいますが、その主張は日本国全体で議論を行うのであれば可能性はありますが、国民一人一人の家計を考えた時には、まったくナンセンスな議論です。

 つまり、国債を償還していくためには個人や企業の資産から徴税して支払っていくしか方法がないわけであり、これは個人や企業から国への資産移転が将来的に確実に生じるという事に他なりません。

 個人の方が今後の生活を考えた場合に、こうした財政の問題を考慮せずに今後のライフプランや生活設計を考えていくことはできないという事でもあります。

 前置きが長くなりましたが、今回の財政に関する試算を見ていきます。

 今回の試算ではメインシナリオは

GDP名目成長率が3.6%
GDP実質成長率が2.1%
物価上昇率は2.0%

というシナリオで作成されています。

ちなみに慎重シナリオでは

GDP名目成長率が2.1%
GDP実質成長率が1.3%
物価上昇率は1.5%

と控えめに作成されています。

そして例えば2001年~2010年の実績値は

GDP名目成長率が▲0.1%
GDP実質成長率が0.9%
物価上昇率は▲0.2%

ですので、アベノミクスが劇的に日本経済を成長軌道に導くことが前提となっている試算です。
(年金財政の時にも同様の指摘はしていたと思いますが)

 この結果として算出された中長期の財政展望についてはこの楽観的なシナリオ作成をもってしても、相当悲惨な結果が出てしまいます。

 その試算結果についてはまた次回お伝えします。

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株式会社マネーライフプランニング 代表取締役 小屋洋一

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