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先月6月23日に、英国国民投票によって英国がEU離脱の決定をしたことは皆さんもうご承知の通りだと思います。


私は、ちょうどそのタイミングで、スイスのジュネーヴに訪問していましたので、少しタイミングは遅くなりましたが、その件について現地の様子をお伝えしようと思います。


今回ジュネーヴは、まさしくプライベートバンクやファミリーオフィスなど、スイスの富裕層相手の金融機関がどのようなサービスを展開しているか調査をしに行っていました。

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スイスのプライベートバンクと聞くと、ものすごく秘密主義で敷居の高い金融機関だと思われる方も多いでしょうが、実際話を聞いたところでは普通の銀行業、証券業を中心とした金融サービス業であると認識を持ちました。


つまり、差があるとすれば、日本では

「預金や融資は銀行」

「証券投資や資産運用は証券会社」

と分業されているのに対して、スイスでは

「預金も、融資も、証券投資も、資産運用も同じ銀行でできる」

というサービスラインナップが異なるだけで、ひとつずつのサービスが大きく異なるということはありません。


ただし、日本と大きく異なることがあるとすれば、私がよく米国視察で報告している

「顧客の利益を重視して、動くかどうか(クライアント・ファースト)」

の精神です。

スイスのプライベートバンクでも、報酬の取り方は、米国のFPビジネスとそっくりで

預り金融資産残高×1%

というのが管理報酬です。


そのために、金融機関側も顧客の資産を殖やすこと(あるいは減らさないこと)にインセンティブが働く仕組みになっています。


日本では、そうした金融機関がまだまだ少ないのは、皆さんもお感じの通りだと思います。


最後に、Brexitに対するエピソードを一つ

先ほども、プライベートバンキングの意識は

「お客さんの資産を減らさないこと」

にあると申し上げました。顧客の注文次第ですが、プライベートバンクの志向性は私の予想した以上に保守的な運用を行っていました。

訪問したのはBreixtの前日でしたが

「我々は、英国は残留する確率が60%、離脱する可能性が40%と考えています。そのため、投票の様子を見ながら、万が一英国が離脱するシナリオになりそうであれば市場は10%程度下げると考えているので、クライアントのリスクポジションをゼロにするためのプットオプションを購入して対応する予定です。」

と話をしていました。

つまり、市場の反応としては

「残留なら上昇」「離脱なら下落」

という結果になるわけですが、その2択の結果が出る瞬間は、あえて資産を減らさないためにリスクポジションをゼロにする作業をするというのは、顧客の資産を保全する大切な行動だと思いました。


日本に入ってくるプライベートバンキングの情報では

「資産を増やしてくれる」

イメージを持ってしまいがちですが

実際の現場では

「資産を減らさない努力をしてくれる」

ことが行われているのだとつくづく感じました。

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5月に米国NAPFA(独立系アドバイザー)のカンファレンスで聞いてきた話です

スピーチをしていたのは米国で有名なファンド会社ヴァンガード社

日本でもETFなどはヴァンガード社のものが人気があるので皆さんも聞いたことはあるかもしれません


セミナーの本来のタイトルは

「アドバイザーのアルファ(アドバイザーを利用するメリット)はどこにあるのか?」

という話で、個人投資家にとってアドバイザーがどのような付加価値を与えているかを説明されていました。

要するに、個人投資家がアドバイザーを付けるメリットを説いていたのですが

裏を返せば、平均的な投資家がこの5点を気を付ければ、アドバイザーを付けた場合と変わらないレベルの資産運用ができるということでもあります。

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①コストに敏感になること(0.45%分の価値)

米国の平均的な投資家は、ファンドのコストが0.61%だそうです。
(日本だと1.6%ぐらいのコストのような気がします)

これをきちんとコストに気を払って、コストの効率化を図るとポートフォリオのコストは0.15%程度に抑えることができます。

おそらくETFをフル活用するんだと思います

この分年0.45%は、コスト削減だけで十分な価値が生まれることになります


②リバランスすること(0.35%分の価値)

リバランスとは、ポートフォリオの状態をきちんと定期的に維持することです

こうした作業を行わない場合には、時間が過ぎるほどに当初設定したポートフォリオからズレが生じて拡大していきます

米国の場合には、株式が上昇傾向にありますので、株式と債券でポートフォリオを組んだ場合、時間がたつほどに株式の比重が高くなり、ポートフォリオ全体のリスクが高くなっていく傾向があります。

つまり、当初は株式と債券である程度リスクを制限していたものが、時間がたつほどリスクが高くなっていく傾向があるということでもあります。

こうした定期的なリバランスを行ってリスクコントロールを行う価値が0.35%分だということです


③行動のコーチング(1.5%分の価値)

これが一番価値を高く評価されていましたが

「平均的な投資家」は売買が感情に左右されて

市場が大きく下がってしまった時に売ってしまい

市場が大きく上がってしまう時に買ってしまう

ことが多いようです。

一方でアドバイザーは、

市場が大きく下がった時には、きちんと買い増して

市場が大きく上がった時には、きちんとポジションを減らす

ことを行いますので、長期で見たときに1.5~2%のパフォーマンスの差が出ているというのが彼らの研究結果です


④アセットロケーション(0~0.75%分の価値)

ここでの注意点は、資産運用で出てくる「アセットアロケーション」(資産配分)ではなく

「アセットロケーション」(どこに資産を置くか?)

ということになります。

米国で言えば401K,IRAなど非課税の退職金制度をどのように利用するか?

ということであり、日本で言えば

確定拠出年金とかNISAとか税制優遇制度をどのように利用するかをきちんと考えるということになります。


⑤資産の取り崩し方(0~0.7%分の価値)

こちらも、税制利用のアドバイスになります。

つまり取り崩し(お金を使う)場合にも、投資に有利な制度のお金は残しながら、税制優遇のないお金から利用していくという話です。

お金を使う場合にも、税金の最適化を考えながら使っていく必要があるということです。


①~⑤まで合わせて、平均的な投資家がアドバイザー利用する場合の価値は3%程度だと試算しています。


逆に言えば、平均的な投資家は上記①~⑤のポイントに気を付ければ、年間3%程度の利回り向上が狙えるのではないかと思います。


最後にこの事について書かれているヴァンガードのレポートはこちら


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株式会社マネーライフプランニング 代表取締役 小屋洋一

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