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書評~サピエンス全史

2018.08.03(Fri)|カテゴリ:書評

巷で評判でした「サピエンス全史」をようやく読了しました。

昨年ご紹介した「LIFE SHIFT

が2017年のビジネス書大賞の準大賞であったのですが、

その時に大賞を取ったのが、この「サピエンス全史」です。


上下巻で600ページ近くある、大作ですが、私は既にKindleで読んでいるので
単行本としての、その厚さを感じることはできませんでした。



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さて、内容としては、著者がそもそも歴史学の先生という事もあり

人類(ホモ・サピエンス)の歴史を圧倒的なスケール感で描いていきます。

また、歴史的な価値観よりも、より生物学的観点から人類(ホモ・サピエンス)を
とらえているので、フラットな目線で歴史をとらえることができます。


私が一番印象的だった話は

「ホモ・サピエンスは共通の虚構を作り、それを信じることができるので
 ここまで広く分布、繁殖することができた」

という話でした。

これは、共同幻想を抱くことができるというのが人類の他の生物とは異なる点で
これがあるからこそ、決して生物的には強く種族ではない人類が地球上でもっとも多く繁殖できているという事でした。



共同幻想とはあらゆる話で

国家、主義、貨幣、政治、宗教など現代の世の中で当然と思われている事柄すべてが人類が勝手に作り出した虚構であり、それ自体には何の意味もないし、確固たるものは何もないという事に感動しました。



要するに、これまで社会的に常識、重要、必要なことと思われている知識・体系は
全部現代の人類がそのように虚構を作っているのであり、人間が生きていく本源的にはあまり意味がないという事です。



もちろん、人類は社会的動物でありますので、その社会や知識を無視して生きていくことは特に現代社会では難しいですが、そこに本源的な意味がないとすれば、我々はもっと自由に考えたり生きていくことができるのではないか?

と考えさせられました。


特に、私の扱うテーマの「お金」に関しては、

「貨幣は、これまで考案されたもののうちで、

最も普遍的で、最も効率的な相互信頼の制度」

であるという分析をしています。


つまり、貨幣は人々が信頼していないと何も価値もないものですが、信頼をされていれば
人類が共通して利用できる制度になっているということで、これが貨幣の本質です。

貨幣も共同幻想の一つ、虚構の一つにしか過ぎないのです。


しかし、貨幣を通じて一方で普遍的な信頼を築けるがゆえに、人々が他人やコミュニティへの信頼よりも
貨幣を信頼するという、邪悪な面があることも指摘しています。


私もまったく同意見で、貨幣というものは、貨幣そのものには特に意味も価値もありません。
それを支える信頼を自分で築くことが、結果的に貨幣を築く源泉になるものだと感じています。

この辺りを取り違えて、人が貨幣そのものに価値を見出してしまうと、寂しい結果を生むことが多くなります。

お金持ちでも不幸な方は、このあたりの理解が必要です。


皆さんもこれからお盆休みを迎えられると思いますので、子供たちの夏休みの宿題と一緒に

「サピエンス全史」

を読む。

この夏のおススメです。

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ここ1か月で、税理士さんからご紹介いただく案件で、このような話が増えています。

「お客様が、生命保険商品に入りすぎなんだけど保険証券を見てもらって
 どの保険が本当に必要で、どの保険が不必要なのかを見てあげてほしい」

という相談です。

どうやら、法人の経営者が沢山の保険契約を結んでいて、税理士の目からみても
明らかに不必要な保険が沢山ありそうだが、具体的に保険商品をどのように分析して
絞っていけばよいのかがわからないという事のようです。

また、生命保険会社の担当者や代理店の方に見てもらうと、せっかく減らせるはずの
生命保険が、また別の商品を勧められてしまって、元の木阿弥になってしまうことを
心配しているという事もあるようです。

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ここで、読者の皆さんにまず最初に覚えておいてほしいことは

「資産運用で保険商品を選ぶのは、かなり割の悪い投資手法である」

ということです。


少なくとも金融のプロフェッショナルである人々は、資産運用で保険商品を選ぶことは

まずありません。


なぜならば、保険商品は購入者側手数料の極めて高い商品の一つであることを理解しているからです。


もちろん、そうしたプロも保険商品の保険機能は普通に利用します。
それはリスクヘッジをするためのコストだと割り切れるからです。


生命保険会社は、契約者の皆さんから預かった資金を運用しています。

もしも生命保険商品で運用をしたいと考えるのであれば、その分を
生命保険会社の運用ポートフォリオとそっくりまねして運用した方が
手数料分だけ得をすると考えても良いわけです。


ちなみに、日本生命であれば


コールローン 1.7%

公社債    35.4%
株式     13.7%
外国証券   29.7%
貸付金    12.2%
不動産     2.6% 
その他     4.2%

(ホームページより2016年度末の数字)


ソニー生命などは

国債  75.1%
社債   3.5%
株式   1.0%
外国証券 8.8%
その他  2.8%
貸付金  2.0%

(ディスクロージャー資料2017)

と開示されています。


個人では死亡保険金の非課税枠だとか、法人では損金算入の割合など
税務メリットを合わせると、資金効率の改善につながる方法はもちろんありますが

単純に、


学資保険で学費に備えたい

終身保険で将来の資金を積み立てたい

という事であれば、保険商品ではなく保険会社の運用ポートフォリオを模倣しながら
証券会社で運用をした方が、よっぽど資金効率は良いはずです。

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この土曜日に品川駅の本屋で本を見ていたら、経済評論家中原圭介の新刊

「日本の国難 2020年からの賃金・雇用・企業」

が目に留まりました。


本屋で新書を買っても良かったのですが、電車で移動中でもありましたので
早速Kindleでダウンロードをして、移動しながら読みました。

(こういうところでも私の消費行動はしっかりAmazonにやられちゃってます。)


著者の中原圭介さん自身は、私も評価している経済評論家の一人で
著書の内容を見ていても、基本的にはデータや事実に基づいてオーソドックスな
理論や趣旨の展開をされるので、安心して読むことができます。


今回の書籍でも

・世界経済が「超金融緩和」の中で債務過剰で、資産バブル気味

・日本経済の最大の困難は、少子化に起因する
 (この問題はもう30年近く前から分かっていた話)

・現在のネットやAIによるイノベーションは、劇的に労働雇用を減らす可能性がある
 失業者の増加につながる恐れがある

・電気自動車の普及は、日本の自動車産業に深刻なダメージを与える危険性がある

・賃金はなかなか増加しない中で、物価の上昇は「実質賃金」を押し下げる可能性がある

・現段階での改善案としては、企業の本社機能を地方に分散化することで、地方経済の再生と 企業社員の出生率の回復を目指す


という主張が、客観的なデータを用いながら、推察されています。



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私もほとんど同意するのですが、雇用に関しては、
中長期的に雇用が奪われる分は、別の職業や仕事が穴埋めするので、
あまり問題ないのではないかと思うところもあります。


基本的に、イノベーションで奪われる仕事は製造業でも、サービス業「作業系」の仕事
ですので、如何に「作業」をしないかという点で仕事について考えていくことが
自分自身の雇用を守る手段なのだと私は考えています。

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先日、ウェルスマネジメントの世界で親しくお付き合いさせていただいている早稲田大学ビジネス・ファイナンスセンターの米田隆研究員教授のセミナーに参加させていただきました。


セミナーの内容自体は、リンダ・グラットン(ロンドンビジネススクール教授)のベストセラー「LIFE SHIFT」を取り上げながら、富裕層の「有形資産」「無形資産」の両方の重要な資産管理に関するお話でした。


その中で、米田さんは

「これまで日本では、預金と不動産で資産を保全してきた人が多かったが
 日本全体の環境の変化によって、これからの時代では預金と不動産だけでは
 資産保全は難しくなる」

というお話もされていました。

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私も、国内の資産家さんとお会いすると、やはりその多くは「不動産所有者」であることが
多いです。

なぜなら、不動産はこれまで税制的に優遇されていることが多く、同じ時価評価の資産を持つのであれば、税制的に「不動産」を所有することが合理的であったからだと思っています。


しかし、今後の人口減少が明らかになっている日本では、不動産は一部のエリアの物件しか資産価値を維持していくことは困難になることが明白です。


米田さんは、今回のセミナーの中では

1.外国人投資家が投資対象とする物件

2.REITの投資対象となる物件

3.リコースローンがファイナンスされる物件

という3条件に当てはまるもの以外は、中長期的な資産価値の維持は困難であるという見通しを話されていました。


私も同様に、保有資産が不動産偏重の資産家さんには、不動産と金融資産(株式、債券)の保有割合を見直すことを強くお勧めしています。


保有している資産全体の中長期的な「成長戦略」を描くのであれば、それはやはり海外を主とする「株式」を保有することに他ならないと考えているからです。


このように話をしても、なかなか旧来型の資産保有者には理解されないのですが、
その子供たち世代(30代~40代)には少しずつ理解され始めているのかなという実感はあります。


これをごく個人の資産管理に引き直してみても同様の話になります。


個人の資産があまりにも(自宅)不動産に偏重している場合には、中長期的には
資産価値を維持していくのは難しいと思いますので、早めに株式などの金融資産に振り分けて
個人の場合でも、保有資産の「成長戦略」を描く必要があるのではないかと思っています。

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現在、私の顧客から

「プライベートバンキングの提案が聞きたい」

というオファーを受けて、最近

UBS(スイスのPBの日本法人)

野村證券PB

大和証券PB

の話を聞きました。



具体的な提案などをもらうのはこれからなので、現時点で提案の評価はできないのですが
提案前の段階としての小屋の個人的な評価としては


・UBS証券

金融サービス自体はスイスの本部で提供しているものを日本でも提供している
ただし、スイス本部で頼むよりも日本法人の方がコストが2重取りで高く設定されている印象

金融サービス以外の非金融サービスは定評がある

実際に顧客はUBSのセミナーに行って、食事会などで好印象を受けた様子


・野村證券

金融サービス自体は、まだまだ販売手数料モデルになっているところが多い

担当者本人は、預かり資産残高に対してFeeをかけていくモデルの方がPBとしては良いと思っている

「国内のPBについてはそれほど差があるとは思っていない」とのこと

非金融サービスのラインナップはそこそこ

シンガポールなどに展開できれば、そこでスイス系のPBと連携していることが強み


・大和証券

担当者のレベル感がPBというよりもリテール営業的な雰囲気を感じて今一つ

野村證券と同じく「国内のPBについてはそれほど差があるとは思っていない」とのこと

金融サービス自体は、まだまだ販売手数料モデルになっているところが多い

非金融サービスのラインナップは野村より劣る印象

シンガポールなどに展開できれば、そこで外資のPBと連携していることが強み


とのことでした。

全体的な印象としては、まだまだ国内系のPBは、これまでの証券リテール業から
抜け出すところまで行かずに、延長線上のサービス提供をしている気がします。

さすがにUBSはPBの歴史も長いので、そのような様子ではありませんでしたが
日本だとスイス本部よりも高コストになってしまうのは仕方がなさそうです。

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小屋個人としては、スイスに行った時にPBをいくつか見学してきましたので

あえて日本のPBを使わなくても、スイスに行って現地のPBに口座開設した方が
資産運用に関しては、よっぽど良質なサービスを安価で受けられると考えています。


この顧客とも、一緒にスイスのPBにも現地訪問に行こうと話をしているところです。


また、国内各社PBの提案などが出て来たら、その提案についての分析、評価も
お伝えしようと思います。

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勉強法について

2018.05.25(Fri)|カテゴリ:書評

今回も、最近読んだ本のご紹介です。

佐藤優氏自体は様々な媒体で目にする方ですが、本を読んだのは初めてです。

色々な媒体を通じても、佐藤氏が知識人で教養人であることが伺い知れますので
興味を持って読みました。


どうもこの本は、佐藤氏が色々な大学やセンターで授業を担当しているものの中から
勉強法やインテリジェンスに関する部分を抜き出して編集して作成されているようです。

特に佐藤氏が外務省で専門にしてきたインテリジェンスを身に着けるための勉強法として意識されたつくりになっています。


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・インテリジェンスとは

インテリジェンスは、比較的最近の概念でインフォメーションとは異なる

インフォメーションは周りにある情報すべてのことを指すが
インテリジェンスは情報を取捨選択、選択したうえで、しっかりとした物語性を持って
分析された情報である
インテリジェンスは基本的には国家の作業


・まずは歴史を知ることが大事

現在世界で起きていることを理解するには、歴史的な基礎知識が不可欠
類比的な思考を身に着けるためにも必要
歴史は同じ形では反復されないが、構造は似た形で反復される


・教養が身についている人は、勉強法が身についている

今後生き残っていく知を付ける行為は、教養を身に着けるという行為と近い
教養人になる目標の必要条件が勉強法である


・ベーシックとなる勉強は高校のカリキュラムまで

まずは、ベースの知識として高校のカリキュラムを全部消化するのが近道
しかし、それができている人は少ない


特に数学の勉強をしっかりとしていない人が多い


・勉強法のコツは欠損個所を素直に認めること

自分の欠損個所を素直に認めて、そこからスタートすることが重要
弱い部分に知識を正確に積んでいく作業
プライドは捨てなければいけない


・数学を勉強し直すには放送大学がおススメ

隈部正博さんの「初歩からの数学」

を放送大学で勉強するのが、高校レベルの数学を身に着けるのに一番簡単なやり方


・その他の科目はスタディサプリが使える

本当に高校レベルの科目勉強がやりたいのであれば、リクルートの「スタディサプリ」がおススメ
大人の勉強にも受験世界の物は使える
センター試験で85%ぐらい取れるようになれればよい


・カネを支払うことは大事

お金を払うと、勉強への身の入り方が変わる


・フィリピンの語学学校のレベルは高い

フィリピンの語学学校のレベルは高いので、日本人や韓国人が英語を身につけたかったらおススメ


・教養の身の付け方

1番目はベースとなる基礎知識(高校卒業レベルの学問)を身に着ける

2番目には古典が必要、種類は文学でも歴史でも哲学でも良い
古典の立場に立って、どのようにものが見えるのか語れるようになると良い

3番目は歴史の知識
日本史であれば「岩波講座日本歴史」「岩波講座世界歴史」の第一版がおすすめ

4番目は外国語
知識を立体化させるために必要
3,000語ぐらいの基礎単語がわかると90パーセント近くは理解できるようになる


というのが本書の簡単な内容です。


株式投資というのは、非常にインテリジェンスが求められる作業だと理解しています。


偉大な投資家はみな、歴史や教養の重要性を謳っています。
株式市場を読み解くには、こうした教養に裏打ちされる深い洞察が必要だという事なのだと思っています。

私の場合の欠損は、数学と理科(物理、化学など)にあると認識していますので
この本でおススメされていた放送大学の

「初歩からの数学」

「解析入門」

を購入して、しっかりと勉強していきたいなと思っています。


皆さんの場合には、何が欠けているでしょうか?

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今回は、最近読んだ本のご紹介です。

私の尊敬する経営者の方から薦められました。


この本の中では、人の考え方や行動のタイプについて


「ギバー(与える人)」

「テイカー(奪う人)」

「マッチャー(与えるとの取るのとバランス重視)」

の3パターンに類型化してます。


そしてどのパターンの人が、成功しているかというと

(1)ギバー(他者志向型)


(2)マッチャー


(3)テイカー


(4)ギバー(自己犠牲型)


という順番で、人生で一番上手くいくタイプも、一番上手くいかないタイプも「ギバー(与える人)」であるという研究結果になったそうです。

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私も、仕事上多くの人と知り合い、お付き合いさせてもらっていますが、
感じが良くて仕事も人生もうまくいっている人は、例外なく


「ギバー(与える人)」の要素を強く感じます。


一方で


「テイカー(奪う人)」は、すぐにその考え方が周囲に露見してしまうので、長期的にはあまり上手くいかないように見えますし

「マッチャー(与えるのと取るののバランス重視)」の人は、そこそこ止まりに見受けられます。


そして気になるのは、成功から一番遠い存在にあるのも「ギバー」(自己犠牲型)の人だという事です。

この本の中では

(1)ギバー(他者志向型)

(4)ギバー(自己犠牲型)

との差は

両者とも他者貢献(他者利益追求)の立場を重視しながらも、(1)のグループは自己の利益もしっかりと追及していること(4)のグループは自己の利益追求に対しての意識が低いということにあるようです。


つまり、(1)のギバーは

他者(周囲)に貢献することを通じて、全体のパイや収益を向上させて、結果的に自分の取り分を多くする

というイメージで貢献しているのに対して

(4)のギバーは、自分の取り皿から、他人に中身を分けているだけに過ぎないので自分が苦しくなる

という結果になってしまいます。


私も日ごろから、(1)のギバー(他者志向型)の存在でありたいなと思って、努力をしていますが

(1)ギバー(他者志向型)のタイプに出会うのは、本当に限られています。

大概の方は(2)マッチャー的な考えで動いているのではないでしょうか?


そしてあなたが、もしも(1)のギバーとして成功したいと考えるのであれば

GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代

を一読されることをお勧めします。

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株式会社マネーライフプランニング 代表取締役 小屋洋一

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