資産運用の最近のブログ記事

今年に入ってから、「FPの学校」という
FP向けの外部講座を担当することになって、改めてパーソナル・ファイナンスについて
受講生に教えるためにテキスト化しています。


また、作成しているテキストは(私が作るので)、社内のスタッフ向けにも研修の
テキストとして利用しています。

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その中で、改めて感じたのは、ファイナンシャルプランナーの多くの人が
パーソナルファイナンスの知識を、体系づけて理解していないという事です。


パーソナルファイナンスというのは、個人(家計)のファイナンスですので
あくまでもファイナンス理論に基づいて体系化できる考え方や手法です。


しかし、ファイナンシャルプランナーの資格試験が

・幅広い分野の知識(暗記)偏重型の試験である

・実務に入ってからも、ファイナンスを学ぶ機会が少ない

という理由もあってか、有資格者の中でもしっかりと理論を体系的に身に着けている人は少ないなという印象を持っています。


具体的には、企業のファイナンスでは、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書が財務3表と呼ばれ、基本になります。


もちろん個人(家計)のファイナンスでも、この財務3表が基本となることは同じです。


しかし、個人のパーソナルファイナンスの相談をしているときに、しっかりとこの財務3表を持って議論を展開している現場を私は自社以外であまり見たことがありませんでした。


そこで今回は、財務3表の中でも最も中心的で基本となる個人バランスシート(貸借対照表)の理解を中心とした講座テキストを展開しています。


テキストを作っていて面白いところは、自分が無意識に行っていることについて
理論的にどのような意味があるのかをしっかりと考えながら記述できるところにあります。

こちらが、もう意識的に考えなくてもできるようになっていることを

「なぜそのようにする必要があるのか?」

と理由を言語化できるまで落とし込んで考えなければ、テキストが作成できないのです。


もしも、みなさんがこれまで個人(家計)のバランスシートを作成したことも見たこともないということであれば、ぜひ一度作って見られると良いと思います。


幸い今年のゴールデンウィークは長いようですので、ちょっと時間を取っても良いと思います。

3月30日(土)に弊社としては初めての自社開催セミナー

【第1回】プライベート・バンカーセミナー

を開催させていただきました。

ご参加いただきました皆様は有難うございました。


参加されなかった読者の方々も多いと思いますので、小屋が報告レポートを
お送りいたします。



第1部 プライベートバンカー杉山智一氏

ベストセラーノンフィクション「プライベート・バンカー」

の主人公でもある杉山氏にシンガポールや香港で展開する

「プライベートバンク」

の活動内容について説明がありました。

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日本は、銀行、証券、保険業がすべて縦割りであるという金融行政の下

外資系の金融機関が参入しても、日本においては日本の金融行政の中でサービスを
展開せざるを得ません。


それゆえに、国内の金融機関との特段の差別化もできずに、うまくいくケースも

あまり見かけません。


海外での金融機関が、なぜ日本の金融機関と比較して優位性があるのかという理由はこの金融行政にあります。


海外では「ユニバーサルバンク」といって、この銀行、証券、保険のサービスが
一つの金融機関で一体的に取り扱えることが日本の金融機関に比べて優位性そのものになります。


つまり日本人が「プライベートバンク」にアクセスを求めるのも
日本の金融行政が厳しいからに他なりません。


そして、杉山さんからは現在の日本人富裕層がよく利用する金融商品スキームの解説がありました。


それは杉山さんご本人の著作にも具体的に書かれていますので、興味のある方は
下記書籍を購読ください。
プライベートバンカー 驚異の資産運用砲 (講談社現代新書)


ポイントとしては、海外プライベートバンクでは、株式やファンドの時価評価に対して

担保設定と融資が可能だという事です。


日本の場合、信用取引の担保に株式が利用できるという事はありますが
原則有価証券を担保に金融機関から借り入れを起こすことは、
上場企業のオーナーの自社株ぐらいでしか見ることがありません。


しかし、海外金融機関では個人向けでも株式やファンドを融資担保の評価にしていることで、借り入れというレバレッジをかけての資産運用が可能になるというのが、日本の金融機関ではなかなか考えられないスキームです。


特に円借り入れの金利は低いので、円で借りて資産運用をするということで
レバレッジを効かせて利回りを上げる運用が可能になります。


また、保険商品も海外の保険会社の商品は日本と比較してローコストです。

基本的に生命保険会社は、顧客から預かった保険料を自社で運用しているわけですが、その運用している対象が


日本の生命保険は日本での債券運用が中心

海外の生命保険では海外の債券、株式運用が中心


なので、期待できる収益率の差が、加入者の保険コストに跳ね返って差が付きやすいとのことです。


したがって、同じ保険料負担であっても、死亡保障のプレミアムには日本と海外では大きく差が付きます。

富裕層が多額の保険金に加入しようと思えばなおさらです。


一方で、日本の個人は海外の生命保険に加入できないという、日本特有の事情もあります。


そこでその法律に対して合法的に回避する海外法人を利用したスキームなどの

解説がありました。


プライベートバンカーとも言えども、法令違反や税務リスクを顧客に負わせるようなことは決してできません。


あくまでも日本の国内法で合法な範囲内のスキームやサービスの提供になるのは

当たり前の話です。


このあたりの点を具体的に検討したければ、弊社を通じて杉山さん個人に設計してもらうのが良いのだと思います。




【第2部】株式会社マネーライフプランニングの紹介

第2部では小屋から、最近のマネーライフプランニング社の取り組みなどについてご説明させていただきました。



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昨年から投資助言業のライセンスを取得し、より一層、顧客第一という視点で

活動をしています。


海外のプライベートバンクと同様に、顧客の預かり資産に応じて、アドバイス料
をいただくという料金形態で、これは顧客と事業者がwin-winの関係になるように設計しています。


また、金融資産だけではなく不動産についてのアドバイスを行うのも
弊社の特徴になっています。


もしも、プランニングや相談にご関心があれば、下記のwebでの申し込みフォームからご相談ください。


今後は定例でこうした皆様の役に立つセミナーを開催していこうと考えておりますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

2019年に入ってから、有難いことにご紹介で法人オーナーの資産コンサルティングを受ける機会が多くなっています。


今回は、資産運用は個人名義で行うのが良いのか?
法人名義で行うのが良いのか?

について考えていきます。



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以下100%株主である法人オーナーを想定して記述します。
株主構成が複雑な場合には、コンサルティングも複雑になります。


100%株主である法人オーナーにとっては、会社にある資金は自分個人の資金と性質的には大きく異なるところはありません。



そこで、資金があって資産運用を考える際に

法人名義で資産運用をした方が良いのか?


個人名義で資産運用をした方が良いのか?


というところは検討するべき必要があります。



法人で金融資産運用をするメリットは

配当やキャピタルゲインが、法人の所得になるので、課税前の経費の利用方法に選択の余地が大きい
(個人の場合には申告分離課税になってしまうので経費的な概念がない)


万が一、損失が出た場合に累積損失は9年間繰り越せる
(個人の場合は累積損失は3年の繰り越し)


個人で給与所得控除を利用することによる所得税削減効果


親族などの従業員に対する所得の分散化




デメリットは


有価証券投資による、銀行借り入れの評価に対する影響

(銀行は有価証券投資を嫌がる)


法人自体の決算など管理コスト

証券会社での事務が面倒



などがあげられます。



不動産投資の場合には

法人で不動産運用をするメリットは



家賃収入が、法人の所得になるので、課税前の
経費の利用方法に選択の余地が大きい
(個人で不動産所得の場合には経費参入の余地が少ない)


個人で給与所得控除を利用することによる所得税削減効果


親族などの従業員に対する所得の分散化


法人の与信を利用した銀行融資の利用



デメリットは

法人本業に対する、銀行借り入れの評価に対する影響
(銀行は本業をメインに考える)


法人自体の決算など管理コスト


などがあげられます。


短期ではなく、中長期的な視点に立てば、法人を利用しての資産運用の方がメリットが大きくなってくると考えられます。


しかし短期的には、特に不動産の場合には税務面や手続き面でのコスト上昇なども考えられますので、よく試算の上で検討する必要が出てきます。

2019年に入ってから、有難いことにご紹介で
法人オーナーの資産コンサルティングを受ける機会が
多くなっています。


以下100%株主である法人オーナーを想定して記述します。
株主構成が複雑な場合には、コンサルティングも複雑になります。


法人オーナーの個人資産コンサルティングでは

・法人で稼いだお金を個人の財産に移転した方が良いのか?

・法人で稼いだお金を法人に置いておいた方が良いのか?

を検討する必要があります。


現在の法人税の実効税率は30%を切るところまで来ています。

近年は、法人税率も国際間で競争が激しく、税率は引き下げられる方向にあります。

一方で個人の所得税はどちらかというと課税強化の方向にあります。


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個人の所得税税率は

課税される所得  税率   控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え  330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え  695万円以下  20% 427,500円
695万円を超え  900万円以下  23% 636,000円
900万円を超え  1,800万円以下  33%  1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下  40% 2,796,000円
4,000万円超  45%  4,796,000円


ですので、住民税が10%ですので、課税所得が695万円を超えるレベルになると

ほぼ、個人の所得税、住民税と法人の課税が等しくなってきます。


個人での課税所得が900万円を超えてくると、法人から報酬を取るよりも
法人に課税されても内部留保していく方が、外部流出が少なく
法人個人を合わせて考えると、お金が貯まりやすくなります。


つまり、法人税率と個人税率だけ比較すれば、個人で法人から課税所得で900万円以上取る理由はなくなります。


後は、法人に資金を置いておいた場合に効率的に資金利用できるかという問題はあります。


つまり、法人に資金を置いておくと

無駄に使ってしまう
必要以上に前向きな投資をしてしまう

というケースの場合には、税率だけではない判断をする必要があります。


次回は、資金を法人と個人のどちらの名義で運用していくのが良いのか?

という点を考えていきたいと思います。

昨年の10月にヴァンガードという世界最大級の資産運用会社(投資顧問会社)に訪問をしてきました。


今回はその訪問記の第3弾でヴァンガード社のパーソナルアドバイザーサービスについて解説します。

今回はわかりやすいように1米ドル=100円で記載しておきます。


まずは、米国のロボットアドバイザー業界の整理がありました。



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ロボアド

シュワブ      270億米ドル(2兆7000億円) Fee無し
ベターメント    120億米ドル(1兆2000億円) 25ベーシスポイント
ウェルスフロント  100億米ドル(1兆円)    25ベーシスポイント


ハイブリッド(ロボ+人間)アドバイス

ヴァンガード      1,000億米ドル(10兆円) 30ベーシスポイント
シュワブ        10億米ドル (1000億円) 28ベーシスポイント
ベターメントプレミアム              40ベーシスポイント
パーソナルキャピタル  60億米ドル(6,000億円) 89ベーシスポイント


という事で

ロボアド市場が    約5兆円
ハイブリッド市場が  約10兆円

となっているのが現状のようです。


日本では、ロボアド最大手のウェルスナビ社の預かり資産残高が1200億円(1月28日現在)のようですので、ロボアド市場でもまだ20倍近くの開きがありそうです。


ヴァンガード社のパーソナル・アドバイザー・サービスの概要は下記のとおりです


管理コストは0.3%、それにETFのコストがかかる

(米国の一般的なRIAアドバイザーコストは1%前後)


最小投資額は5万米ドル(500万円)から

(米国の一般的なRIAアドバイザーは30万ドル~50万ドルが最小なこともある)


アドバイザー(人間)のアドバイスは、電話、メール、オンラインミーティングで可能


ポートフォリオマネジメントは、ほぼロボアドと同じ仕組みで管理し続ける


というサービスで、ロボアドに人間のアドバイスを受けることをプラスしたようなサービスです。


米国では、もともと人間のRIAアドバイスサービスが普及していて
そのロボット版のロボアドバイザーが出てきて
その後にこうしたハイブリッド型が出てきたという順番です。


一方で日本では、もともと個人向けのアドバイザービジネスがほとんどない中でロボアドが先に出てきてますので、今後こうしたハイブリッド型というものが出てくるのか興味深いところです。


弊社の取り組みとしては、ヴァンガードの取り組みを参考にしながら、今後こうしたハイブリッド版にも取り組んでいこうと思っておりますので楽しみにしていてください。

昨年の10月にヴァンガードという世界最大級の資産運用会社(投資顧問会社)

に訪問をしてきました。


今回はその訪問記の第2弾です。

米国の証券リテールの業界動向を聞くと


証券ブローカー(仲介)は、よりFiduciary Standardを求められており

仲介手数料からフィーベースへのビジネスモデルの転換が行われている


ロボアドなども出てきており、アドバイザーはより低コスト化を

強いられてきている


フィーが中心のRIA(投資顧問)サービスは、よりウェルスマネジメント

の機能を持った展開をしている


RIA(投資顧問)サービスは、証券ブローカー(仲介)モデルよりも

急速に伸びている


RIA事務所でもM&Aが活発化していて、より巨大な事務所が誕生している


フィーについてもより低廉化が進んできている


投資判断についてはRIA事務所内ではなく、アウトソーシングが進んでいる


銀行チャネルでもFiduciary ruleが進んでおり、フィーベースでの

収益に移行してきている


銀行もオープンなプラットフォームに乗ってきている


というのが、金融リテールの業界で起こっている変化です。


そして、私がとても面白いと思ったのは、ロボット化している作業
ロボット化し難い作業の分類です。

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自動化しているもの



  • リバランス
  • コストの安い運用を探す
  • アセットアロケーションを組む



自動化しやすいもの

  • アセットロケーション(どの制度にどの資産を持たせるか)
  • トータルリターンとインカム収入のどちらが効率的かの検討


デジタルで関係性を作るもの

  • 顧客の行動に対するコーチング(指導)
  • お金の使い方の戦略指導



デジタル化し難いもの(ウェルスマネジメント)

  • オーナー企業の戦略
  • 信託財産の戦略構築
  • 保険、保障設計
  • 会計、税のサービス
  • 相続や信託財産のサービス

とのことでした。


つまり、金融リテール業は、デジタル化できる分野での競争は厳しいので

各社ウェルスマネジメントに力を入れ始めていることが良く理解できました。


次回は、ヴァンガードの中でも最近急成長をしている


パーソナル・アドバイザー・サービス


について解説していきます。

昨年の10月にヴァンガードという世界最大級の資産運用会社(投資顧問会社)
に訪問をしてきました。

場所は米国のフィラデルフィア郊外にありまして、町の中心部から1時間ほど車で離れたところにあります。

私たちが、毎年参加しているFPのカンファレンスが今年はフィラデルフィアでの開催であったので一緒に都合をつけて訪問させていただきました。

まず、着いて最初に感じたことはその前年のディメンショナルファンドを訪問した時にも
感じましたが、環境の良さです。

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都市郊外という事もあると思いますが、敷地は広大ですし、豊かな緑に囲まれていて
資産運用の業界というものは、こうして必ずしも都会の真ん中である必要がないのだと
強く感じるとともに、米国の多様性と豊かさを感じ取れます。

ヴァンガードという会社は、1975年にジョンボーグルという創業者が、インデックスファンドという資産運用業界に新しい概念を持ち込むために作られました。

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インデックスファンドは、いまでこそ大きな存在になっていて、弊社でもお客様に推奨する
一番の考え方になっていますが、このヴァンガード創立当初はなかなか世間に受け入れられずに事業が黒字化するまでに創業から6~7年かかったそうです。

顧客志向で、なるべく低い報酬でストック型のビジネスモデルというのは弊社も同様ですので、やはり現在世界最大級の運用会社であるヴァンガードでも創業当初は同じだったのだと大変感銘を受けました。

ヴァンガードは会社の仕組みとしても大変ユニークな構造をしていて、
ヴァンガードは自社の株式を自社内で構成しているファンドで保有している
という形式を取っています。

したがって、外部の株主のために必死に収益を上げる必要がなく
ファンド保有者の為にしっかりと経営をしていくことが、ひいては
自社の価値向上にもつながり、それがまたファンド保有者の為になるという
自社のファンドへの投資家と利益相反が起こらないような仕組みづくりをしています。

これもとてもユニークな発想ですので、ぜひ弊社でも顧問の顧客が引いては
弊社の発展の利益を享受できるような仕組みづくりを考えてみたいと思います。

また、こちらはメルマガなどでも何度かお伝えしていますが、現在米国では
独立系のアドバイザー経由でファンドを購入するケースが増えています。

ヴァンガードでも、
2007年には
1.個人投資家自身
2.機関投資家
3.独立系のアドバイザー
という順位でしたが、10年経過して
2018年には
1.独立系アドバイザー
2.個人投資家自身
3.機関投資家
の順番で資金量が多いとのことでした。

したがって、ヴァンガードを中心とした最近の運用会社は、こうした独立系のアドバイザーを支援するような部門が急成長しているのが現在のトレンドです。

次回は、ヴァンガードで見てきた米国運用業界の最新トレンドをお伝えします。

5回にわたってお届けした資産形成ダイナミックメカニズムの解説
もようやく最終回です。


前回は、ようやく資産運用のコンサルタントっぽい
主に金融商品や不動産などの資産運用について取り組むべきこと
注意することを説明しました。


最終回は、こんどはお金を使う話です。



②支出の抑制

 1)ライフスタイルコストの抑制


色々なところでよく言われる話ですが、お金を持っている人に

「どうすればお金が貯まるのですか?」

と質問をすると

「入ってくるよりも使わなければお金は貯まります」

と答えられるという話があります。


お金は、入ってくるお金の額よりも使うお金の額が少なければ
自然と貯まっていくものです。

とても当たり前の話ですが、お金を貯めている人が少ないことからも
普通の人がなかなか実践するのは難しいのでしょう。


一方で、普段お金持ちと接することの多い我々は、当然お金持ちの行動を
よく観察します。

これがまたびっくりするくらい、慎ましく派手なお金の使い方をしない人が
多いものです。

なので、一般的な人が描くお金持ちのイメージと、我々アドバイザーが触れる
お金持ちの実像にはかなりのギャップがあります。


   
   1.固定資産の維持費の抑制
     
a.固定資産取得に伴うローン元利払い
     b.損害保険料
     c.定期修繕費


固定資産の代表的なものは「自宅」の不動産です。

最近、経済学者のロバート・フランクが周囲との比較で満足を得るものを「地位財」、
他人との相対比較とは関係なく幸せが得られるものを「非地位財」と整理しました。

「地位財」の具体例は、所得や貯蓄、役職などの社会的地位、家やクルマなどの物的財。
一方の「非地位財」は、健康、自由、愛情などです。

こうした、「地位財」の代表的なものが自宅でもあります。

ここの比重が高い人は、「地位財」にお金を使う傾向も高く、支出の抑制に苦労するタイプです。

そもそも、こうした「地位財」の入手による幸福度は長続きしないものです。


   2.生活費の抑制


生活費の水準は、本当に各家庭まちまちです。

コンサルティングをしている現場で思うことは

「この家庭は資産運用に取り組むよりも、生活費水準を見直した方が
 よっぽど効果的だよな」

というケースが多いです。


例えば、1,000万円の金融資産を保有している人が、資産運用に取り組んで1%の利回り向上ができて資産の増加する額は年間10万円です。(税引き後だと8万円になってしまいます)

しかし、同じ人が月1万円の生活費の見直しができるのであれば、その効果は年間12万円の資産増加につながります。


どちらが簡単に取り組めることでしょうか?

またどちらが効果的でしょうか?


こう考えると、資産運用に取り組む前に、自らの家庭の支出水準をもう一度考え直す方が資産形成の手法としては簡単で確実になるケースが多いです。


   3.保障性生命保険の効率的購入


先程、生活費水準の見直しを指摘しましたが、最後は保障性生命保険の話です。

生命保険の話については、過去にさんざんメルマガでもブログでも書いてきました。



私が相談に乗るケースでも9割程度の家庭は、生命保険の加入額が不必要に多いケースになってます。

この辺りも合理的に生命保険に加入するだけで、毎月の支出が抑えられ、それが自らの資産の増加につながります。


こうしてみてきた通り、資産運用に取り組むよりも

・自分の収入を最大化する

・自分の支出を適正に見直す

事の方が、よっぽど重要で確実な方法であることがご理解いただけたのではないかと思います。


皆さんも、まずは収入、支出についてもう一度見直してみてください。



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前回に続き、資産形成ダイナミックメカニズムの解説です。

前回は、収入を拡大するために必要な

時間当たりの生産性を向上させる方法などをご紹介しました。


ようやく今回が、弊社でもコンサルティングの中心に置いている

資産運用についてです。


日本の個人の多くの人は、こうした保有資産の運用利回りに無頓着ですから

ここを改善する余地は十分にあるはずです。


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2)投資資金の運用利回りの向上

   1.借り入れの圧縮


まずは、借入の圧縮です。
借入金のポイントは、なんといってもその金利にあります。

調達している資金に金利を払うのであれば、その資金の利用方法は
調達金利を上回る利用方法をしなければなりません。


おそらく多くの個人の方は、住宅ローンという借入を行うケースが多い
と思いますので、住宅ローンで調達した借入金の金利と、それによって
購入した不動産の実質的な利回り(経費控除後の帰属家賃/物件価格)
を比較して借入金金利の方が高い場合には、注意が必要です。


現段階では、住宅ローン金利も低いので、あまり大きな問題にはなっていないと

思いますが、住宅ローンを変動金利で借りている場合には、金利上昇局面で

キャッシュフローが厳しくならないかどうかもチェックする必要があります。


   2.預金


現在の日本では、預金に対して、ほぼ金利がゼロです。
この場合、不必要なお金を現預金で保有していることが、資産の運用効率を
落とすことになります。


私が顧客にアドバイスする際には、

現預金は年間支出総額の半分~1年分程度にしておくことを推奨しています。


それ以上を現預金で保有していてもそれほど当座使う機会もありませんので

無駄な預金を保有しているという事になります。


   3.有価証券

     a.流動性のある運用資産
     b.非流動性
     c.自社株


有価証券で保有すべきは、基本的には株式、債券になります。


特に上場している株式や国債など流動性のある資産に投資するのが基本になります。


流動性を犠牲にすることで、運用利回りを上げるような金融商品もありますが

これは一定以上の(例えば1億円)金融資産を保有し、手元の流動性をほとんど気にしなくて良い投資家が購入するべきものです。


こうした商品には一般の人は、購入する必要性がないと考えます。


中小企業のオーナーの場合には、自社株というのも保有している有価証券の価値としては少なくないものです。


ご自身の会社がM&Aで売却できるレベルの会社である場合には、しっかりと会社の時価評価をしておくことが、資産管理の観点からは望ましいと考えます。


ご自身の会社がM&Aで売却できるという状態にない会社の場合には、まずはしっかりと
外部から金額換算で売却できるような組織、体制、ビジネスモデルを構築することが個人の資産形成の観点からも重要になります。


   4.投資目的の不動産


最後に投資目的の不動産です。


投資不動産のポイントは、不動産の収益は

①インカムゲイン+②キャピタルゲイン(ロス)=トータルリターン

となります。


個人の投資家の方は、

①インカムゲイン

を中心に分析するが

②キャピタルゲイン(ロス)

を軽視する、あるいはあまり考えていない人が多いような印象を受けます。


不動産で一番大事なのは「出口戦略」です。

購入予定の物件を最後に


いつ

だれに

どのような価格で

売るかという事を慎重に検討したうえで、投資してほしいものです。


次回は、このシリーズの最終回です。
支出について解説していきます。

前回に続き、資産形成ダイナミックメカニズムの解説です。


前回は、収入を拡大するためには

長く、健康的に働き続けられるための努力が必要だという内容を
解説していきました。


今回は、もう一方のすべての人間に平等に与えられている時間の価値をどれだけ高めることができるかというのがテーマになってきます。


それでは、資産形成ダイナミクスの表を解説していきましょう。

20180901資産形成ダイナミックメカニズム.jpg

①収入を拡大する

2.時間当たり生産性の向上

     a.1時間当たりの効率を向上
      ・稼ぐ仕組みの構築


まずは、個人の1時間当たりの仕事単価を上げることが必要です。
サラリーマンでも大企業から中小企業まで、賃金の格差があるとすれば、
この企業ごとの「稼ぐ仕組み」がどれくらい強固なものであるかどうかが
差になってきます。


大企業になればなるほど、この「稼ぐ仕組み」が給与に反映されますので

個人のパフォーマンスよりも、組織としての仕組みの方の影響が大きくなります。


なので、個人が優秀でなくても、組織の仕組みが強いので、高給だという事は

十分にありえます。


一方で、中小企業や個人事業の場合には、正反対になります。
組織としての「稼ぐ仕組み」が弱い企業が多いので、逆に個人の
パフォーマンス頼りになりがちです。


ポイントは、継続的に稼ぎ続けられる「仕組み」を構築しなくては

個人の作業は減らないですし、人間の作業や活動時間には限界がありますので
収入にも限界が生じます。


小屋の周囲を見ていても、個人事業で優秀な方々でも、「仕組み」を構築しなければ
一人当たり2,000~3,000万円が収入の限界のように見受けられます。


結論としては、組織で働く人は、なるべく作業的な仕事に没頭するのではなく
「仕組み」を構築する側に回らなければ仕事の付加価値は高くならないと考えるべきでしょう。


      ・時間当たりの付加価値の高い活動に集中


ということで、収入を高めたいと思うのであれば、先程述べた「仕組み」を構築する側、
言い換えれば付加価値の高い作業を仕事にする必要があります。


そのためには、なるべく自分の時間の中で作業的な仕事に取られる時間を減らす必要があります。


これを考えるには、自分の時間当たりの労働単価を計算して把握しておくことが重要です。


例えば、月収が50万円の方が、

週5日×4週×8時間=160時間

を労働に時間を割いているとします。

この方の時間当たりの単価は

50万円/160時間=3,125円/時給

となります。


この方の時給は3,125円になりますので、その単価よりも低い単価でできる仕事には
なるべく時間を割かない方が効率的だという事になります。


例えば

Excelに数字を入力する、集計する
会議の議事録を作る

など時給1,000円前後でアルバイトにも頼める仕事をしていては、

付加価値が高まらない

という事になります。


特に、中小企業や個人事業主ほど、組織としての力が弱いので
こうした時間当たりの単価を意識して仕事をするとパフォーマンスの大きな改善につながります。


例えば、私は今年から「スーパー秘書」というサービスを利用しています。
http://super-hisho.jp/

これは、外部の秘書さんに事務系のお仕事をアウトソースできるオンラインサービスです。


月10時間の作業を35,000円で利用しているので、時間当たりの単価は3,500円という計算になります。

こうしたサービスを利用しながら、私自身は時間3,500円以上の付加価値を生むような「仕組みづくり」の
仕事に専念できるような体制を作るようにしています。


     b.ネット労働時間の向上
      ・時間当たりの集中力向上
      ・移動時間削減      


この辺りは、仕事時間の使い方になりますし、仕事術的な本も沢山ありますので
その方が詳しいテクニックは理解できると思います。

私が個人的に意識しているのは移動時間の削減です。

普段は、顧客に事務所に来ていただく体制を作ることと
移動するのではなくオンラインを活用しながらミーティングなど行うことで
移動時間を極力少なくしようと心がけてはいます。


前回の記事で解説した

「長くしっかりと働く」

ことと

今回紹介した

「働いている時間の付加価値を向上させること」

の2点をしっかり取り組めば、仕事をすることによる収入の増加が間違いなくもたらされます。


多くの人は、こうした労働価値(ヒューマンキャピタル)を向上させることが
資産形成の一番大きな原動力になりますので、もう一度前回の記事を合わせて見返して取り組んで見てください。

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株式会社マネーライフプランニング 代表取締役 小屋洋一

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