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「土に触れ、自分と向き合う時間」──瀬戸・文陽窯での1泊2日陶芸体験ツアー

UPDATE 2025.08.03

2025年7月26~27日 1泊2日で愛知県瀬戸市の文陽窯に訪問しました。

目的は、昨年もお世話になった陶芸家・長谷川文陽さんの工房「文陽窯」での陶芸体験ツアー。

今回は、昨年も参加したメンバー、新しいメンバーを連れての再訪です。

「同じ場所に行って、同じことをするだけ」と思われるかもしれませんが、体験で“同じ”というものは存在しません。

土の状態も、自分の心の状態も、毎回異なります。そのため、今回の体験もまた、新鮮な気づきに満ちた2日間となりました。

 

■ 文陽窯の空気に包まれて

初日は午後に尾張瀬戸駅に集合し、駅から車で10分ほど行った文陽窯へと向かいました。

赤い特徴的なアトリエ、周囲の自然に包まれたその佇まいは、訪れるたびに心を落ち着かせてくれます。

文陽さんが笑顔で迎えてくださり、すぐに工房の見学をさせていただきました。

薪窯やろくろ、乾燥中の作品など、どれも長年の手仕事の積み重ねが感じられます。

「まずは、やってみて失敗して笑かしてください」

と文陽さんが語ってくださった言葉が、失敗しても大丈夫なんだと安心させてくれます。

 

■ 電動ろくろで“無心”になる

いよいよろくろでの陶芸体験がスタート。

電動ろくろの前に座ると、少し緊張感もありましたが、土に触れるうちにすぐに集中モードへと入っていきました。

ろくろの回転に合わせて手を動かし、形を整えていく工程は、まさに“今ここ”に意識を集中する時間です。

雑念が消え、土と自分で向き合う時間。

今回は3名の参加でしたので、沢山の作品を作る時間がありました。

文陽さんの作品をお手本にしながら作成するのですが、土を薄く伸ばしていくことができません。

他の参加者の皆さんも、苦戦しながらもそれぞれの個性が表れた作品に仕上がっていて、見ているだけでも楽しく感じました。

3年間通っているので、自分自身も少しずつ上達しているような気もします。

■ 鮎と語り合いの夜

夕方からはお楽しみの夕食タイムです。今回も文陽さんが自ら釣られた天然の鮎をふるまってくださいました。

その鮎を、奥様に調理していただいき、炭火の塩焼き、炊き込みご飯、甘露煮と、どれも鮎の香ばしさと自然な味わいが堪能できる料理ばかりでした。

夕食の席では、ビールや日本酒を片手に参加者同士でさまざまな話題が飛び交いました。

仕事の話や家族のこと、最近感じていることなど、ふだんはなかなか話す機会のないような深い話も自然と生まれました。

自然に囲まれたアトリエ、作業場でリラックスできる、温かな時間でした。

 

■ 絵付けと“遊び心”

2日目は、前日に作った器に絵を描く「絵付け体験」から始まりました。

文陽さんが用意してくださった呉須(ごす)や筆を使って、自由に模様や文字を描いていきます。

私は最近文陽さんが描いている「波乗りパンダ」など文陽さんの作品をお手本に模写に励みました。

こちらも3年目になるので、毎年少しずつ上達している気がします。

絵付けは「正解のない遊び」のようで、大人になって忘れかけていた“楽しさ”を思い出させてくれる時間でした。

「絵付けも3者3様で個性があっていいですね」

と文陽さんが声をかけてくださったのが、とても嬉しかったです。

■ 帰り道で考えたこと

最後は、名古屋市内の文陽さんのご親戚が経営されている寿司店で昼食をいただき、その後解散となりました。2日間の短い時間ではありましたが、とても濃密で心に残る旅でした。

日常ではどうしても「効率」や「成果」といった視点で物事を捉えがちですが、文陽窯での体験はそれとは真逆でした。

「手間をかける」「失敗を受け入れる」「感じる時間を持つ」といった、“豊かさ”の原点に立ち返るような感覚を味わうことができました。

作品は約1か月後、オフィスに届けられる予定です。参加したメンバーで開封式をやるのが毎年恒例の楽しみになってきています。

 

■ 経験こそ、人生を豊かにする投資

今回の体験を通じて改めて実感したのは、「経験こそが人生の大切な投資」だということです。知識や情報だけでは得られない、“五感で感じる学び”は、時間とお金をかけるだけの価値があります。

来年もまた訪れたい、そう思える場所と人に出会えたことに、心から感謝しています。

文陽さん、そしてご一緒した皆さま、本当にありがとうございました。