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ファイナンシャルプランナーの提案はキャッシュフローとバランスシートの最適化が基本

UPDATE 2025.06.24

こんにちは、松本です。

日頃はお客様の資産アドバイスを行っている私ですが、

先週5月31日、6月7日にファイナンシャルプランナー向けのセミナーを開催しました。

 

良い提案とは何か。

お客様からしっかりと対価を貰って価値を提供する

提案書の構成、構造について解説しました。

 

反響はまずまずといったところで、

参加者からの感想としては、

・運用視点の提案をするのは真新しかった

・提案書にバランスシートを活用するというのは知らなかった

といった感想を多くいただきました。

 

セミナー資料を作成する中で考えたことを共有していこうと思います。

何回かに分けて投稿しますが、

今回は表題の件、「良い提案には運用視点が必須」

という話をしていきたいと思います。

 

※ファイナンシャルプランナーの良い提案とは何かシリーズ

お金の専門家の提案が人によって違うのは困るという話←前回の記事

良い提案とは?

1つ前の記事で「良い提案とは何か」という話をしてみました。

良い提案とは以下の内容だと考えています。

・顧客の幸福につながるものであることは大前提
・経済合理性の高い提案内容がベースになっている
・顧客に対してカスタマイズさせたもの
・具体的な実行に移らせる内容

図式化するとこんな形です。

良い提案をする上で、経済合理的な分析が必須と考えています。

経済合理的な分析とは何かというと、

・収入・支出状況(お金の流れ)
・顧客の資産/負債の状況(持っている資産、借りているお金)

この2つの材料を使って最適化するということがベースとなります。

最適化を一言で説明すると難しいですね。

セミナーだと伝えやすいですが、記事にするとなかなか難しいです。

左側はお金の流れの話です。

収入があって、そこから税金・社会保険・生活費等の支出が引かれて年間貯蓄として貯金ができるわけですね。

左側のお金の流れを最適化する上では、

・収入を増やす
・税金、社会保険の支出を抑える
・支出を減らす

といった対応をすることで年間貯蓄を増やすことに繋がります。

右側はどうかというと、その人の現時点の資産/負債状況です。

資産:その人が持っている資産(例えば預金、株式、債券といったもの)
負債:人から借りているお金(住宅ローン、自動車ローン、サラ金など)
純資産:資産から負債を引いた残り

右側の資産/負債状況の最適化を考える際には、

・資産側の利回りを上げる(現金を株式に変えていく等)
・負債側の金利を下げる(住宅ローン金利を低いものに借り換える等)

といった対応をすることで、手元にお金が残りやすくなります。

まとめると、

・収入を増やす(左側のお金の流れ)
・支出を減らす(左側のお金の流れ)
・持っている資産側を効果的に活用して利回りを上げる(右側の資産/負債)
・借りている負債側の利回りを下げる(右側の資産/負債)

上記内容をトータルで分析することが経済合理的な提案。

良い提案の基礎となる部分です。

 

毎年の貯蓄というのは、資産側に入って溜まっていきます。

それをさらに適切に運用していくことで、より資産状況が改善していくことに繋がります。

つまり重要なのは、あくまで

「顧客の現時点を出発点」として

①現在の資産状況/負債状況
②今後のお金の流れ

を分析して最適化していく。

というのが提案・コンサルティングの流れとなります。

 

これがベースとなる経済合理的な提案の基礎です。

三角形の下から上に考えていくのが、良い提案の流れだと考えています。

これに対して一般的な金融機関・FPの提案はどうかというと

以下のような流れになることが多いです。

 

例えば10年後に必要になる子供の教育費に対しては学資保険で準備する。

 

金融機関であれば

30年後の老後資金や介護資金は、金融商品Aを積み立てて準備する。

といったこと提案が行われることが多いです。

よく聞くのは、お金に色を付けて準備していくイメージです。

つまり流れとしては現在を起点にするのではなく、

将来起点で現時点に矢印が向かう。

将来から現時点に向かって資金準備を考える流れです。

 

その辺りの話は次のnoteでまとめていこうと思います!

 

最後に

という訳で今回は良い提案の基礎となる、

経済合理的な提案とは何かという軸で解説してみました。

 

経済合理的な提案を行うためには

・お金の流れ(キャッシュフロー)
・資産/負債の状況(バランスシート)

の2本が必要だという話でした。

 

コンサルティング実務に関する具体的な内容はまた次回書いていこうと思います。