レポート

資産運用

円安に対する良質な議論

UPDATE 2024.06.13

円安が止まらないですね。

2年前は120円台
1年前は140円台

でしたが、今年は150円台がすっかり定着してきています。

小屋自身は、円安は「貿易収支+サービス収支」の赤字が継続しているからだと理解しており

この数字がマイナスから改善してこないと、

なかなか円高基調には戻らないのではないかと考えております。

みなさんの中でも、為替に対しては感応度が高いと思いますので、

今回は為替に関する良質な議論が展開されている場をご紹介します。

国際収支から見た日本経済の課題と処方箋

こちらは、国際収支に関する専門家の議論の懇談会という体裁ですが、

各専門家の提出、説明する資料がとてもよくできています。

 

金融業界の著名な専門家がしっかりとした議論を展開している様子は、

とても参考になります。

現在は第4回までの資料や議事要旨が公表されていますが、現在のところの論点は

・日本の貿易収支の悪化の原因、改善策

(主に日本の製造業を中心としている産業の国際競争力の低下、原発を含めたエネルギー問題)

・日本のサービス収支の様子

(インバウンド増加による旅行収支の改善、デジタルコンテンツ利用に対するサービス収支悪化)

・所得収支の黒字は必ずしも国内産業の成長、為替の改善につながっていない様子

(海外で稼いだお金は日本に戻ってこない構造)

・日本の財政状況

(財政の悪化は、国債の消化、格付けの悪化につながりかねない)

・NISAの影響

(個人投資家の海外投資が進むのは善か悪か)

 

などなど、株式投資を検討するのにすべて役に立つ内容が満載です。

ほとんどの論点において、何かすぐに解決できる要素はなく、

地道に政府・企業がそれぞれ努力していかないと

状況は改善していかないものですので、

円安傾向が変化するにも少し時間がかかりそうです。

私もその前提で運用プランを考えていきます。