資産運用
コロナ対応が収まりを見せない中で、皆様どのように
資産運用と向き合っておられるでしょうか。
前回、前々回とマーケットの悪い中で投資家としてどのように
振舞うべきかという所を書いてきましたので、今回は別の話
最近、お客様の相談に乗っている中でよく検討する手法の一つに
法人を設立して、個人所得の一部を法人の売上に移すことによって
所得税を減らす。
スキームを提案することが良くあります。
これは、個人の所得税の税率が
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
と累進課税であるのに対して
(実際にはこれに住民税10%が加算される)
法人の法人税は利益の約30%が実効税率であることから
個人で課税される所得金額が900万円を超えてくるようであれば
家族内で所得を分散したり、法人にあえて利益を残して法人税を
支払った方が、税務的には外部流出が下げられます。
資産運用の場合でも、個人で受け取る配当金やキャピタルゲインは
20%の源泉分離課税ですが
法人の場合には、普通に配当金もキャピタルゲインも法人の益金(利益)として
計上されますので、その後に経費を計上することが可能です。
個人では配当、売却益のどちらに関しても確定的であるのに対して
法人であれば、経費控除前の利益となるので、その後PLの中で経費化を考える
余地があるわけです。
一方で、利益に関しては法人は約30%課税されますので、利益体質の強い法人では
このスキームは税務的にはあまり有効に機能しません。
したがって、有価証券の運用に関しては個人が良いのか法人が良いのかは
ケースバイケースで考えることになります。
このようにスキームを変化させることで、税務を工夫することで
資産運用のようにリスク(標準偏差)を取ることなく、ゼロリスクで
リターンを上げることが可能となります。
今回の相場で、下がった金融資産は、個人から法人に資産移転をする
チャンスでもあります。
ぜひ、コロナで自宅待機も増える中で、一度税務的なスキームの見直しも
検討されてみてはいかがでしょうか?