レポート

資産運用

リスク(標準偏差)を上げずにリターンをあげる方法

UPDATE 2020.04.04

コロナ対応が収まりを見せない中で、皆様どのように

資産運用と向き合っておられるでしょうか。

前回、前々回とマーケットの悪い中で投資家としてどのように

振舞うべきかという所を書いてきましたので、今回は別の話


最近、お客様の相談に乗っている中でよく検討する手法の一つに

法人を設立して、個人所得の一部を法人の売上に移すことによって

所得税を減らす。

スキームを提案することが良くあります。

これは、個人の所得税の税率が

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

 

と累進課税であるのに対して
(実際にはこれに住民税10%が加算される)

法人の法人税は利益の約30%が実効税率であることから

個人で課税される所得金額が900万円を超えてくるようであれば

家族内で所得を分散したり、法人にあえて利益を残して法人税を

支払った方が、税務的には外部流出が下げられます。

資産運用の場合でも、個人で受け取る配当金やキャピタルゲインは

20%の源泉分離課税ですが

法人の場合には、普通に配当金もキャピタルゲインも法人の益金(利益)として

計上されますので、その後に経費を計上することが可能です。

個人では配当、売却益のどちらに関しても確定的であるのに対して

法人であれば、経費控除前の利益となるので、その後PLの中で経費化を考える

余地があるわけです。

一方で、利益に関しては法人は約30%課税されますので、利益体質の強い法人では

このスキームは税務的にはあまり有効に機能しません。

したがって、有価証券の運用に関しては個人が良いのか法人が良いのかは

ケースバイケースで考えることになります。

このようにスキームを変化させることで、税務を工夫することで

資産運用のようにリスク(標準偏差)を取ることなく、ゼロリスクで

リターンを上げることが可能となります。

今回の相場で、下がった金融資産は、個人から法人に資産移転をする

チャンスでもあります。

ぜひ、コロナで自宅待機も増える中で、一度税務的なスキームの見直しも

検討されてみてはいかがでしょうか?