レポート

書評

名著から学ぶインデックス投資

UPDATE 2024.04.10

松本です。

今回は株式投資について、

とりわけインデックス投資についてのお話です。

 

今回は50年前から読み継がれている書籍

バートン・マルキールの書籍、

「ウォール街のランダム・ウォーカー」の

書評という形で書いていきたいと思います。

 

書評というよりは、

読んでいて興味深かったところを抜粋して

書き連ねていこうかなと思います。

 

運用について

興味のある方はぜひ読んでみてください。

まずは歴史のお話から

歴史は繰り返す

本書冒頭部分では

熱狂と絶望を交互に繰り返してきた

株式投資の歴史について記されています。

 

興味深いことに、

度々繰り返されたバブル崩壊は

人類は過去からあまり多くのことを学んでないことを

証明しているように感じました。

 

バブルといえば我々日本人は

90年代のバブル景気~崩壊のイメージが強いですよね。

 

しかし熱狂的な株価の高騰に伴うバブルは

過去何度も起きてきました。

例えば17世紀オランダでは

チューリップ・バブルという現象が起こりました。

変異型の珍しい模様のチューリップが高値で取引され

それをめぐって一大投機イベントとなりました。

 

そこから数年経ち、

家を売って球根を買い漁るような人が出てきたころ、

そろそろ冷静になって売った方がいいか。

と売りが目立つようになったところで

一気にバブル崩壊です。

 

普段冷静な人であっても、

周りの友人が続々と球根で儲かったと言えば

自分もその波に乗ろうと考えてしまうのでしょう。

 

きっとその当時の人々も

「球根2万円…高くない?」

ってなったはずですが、

「来年5万円になるから3万円儲けられるよ!」

と言われて楽しくなっちゃったんでしょうね。

 

そういった形で、

1920年代のウォール街から世界中に広がった恐慌も

80年代の日本経済のバブルも、

相場の急上昇と崩壊という現象を繰り返しました。

大多数がピークに乗り遅れる

周りで何人も儲かっていると聞けば、

「なるほど自分も波に乗らないと」

と思ってしまうものかと思います。

 

しかし大抵の人は

その波に乗り遅れてしまいます。

 

投資信託への資金流入と

相場に関するデータでは

 

相場がピークに近いところで

人々が大量に投資信託を購入し

相場が下落し損失が出てしまうと

(投資信託を買うのに絶好の機会で)

投資信託を売却してしまうようです。

 

つまり、

周りが「なんか株式が伸びている!」と感じているときは

既にピークに近い状況であり、

「悲観的に感じている雰囲気」があれば

回復すると考えておいた方がいいということですね。。

急成長or長期成長

1990年代末から2000年代初めには

ハイテク銘柄やインターネット銘柄に注目が集まり

それらの銘柄群を組み込んだ成長株ファンドに

資金が流れ込みました。

 

結果数年後

成長株は大幅な暴落を続け

株式市場から退場を余儀なくされる人が続出しました

流行を追って割高な企業の株式を買う人が続出した。

その結果暴落に耐えられなくなった人が

たくさん出てしまったんですね。

 

メディアや世間から

注目を集める銘柄群やファンドが

いつの時代も存在します。

 

一時の流行はあったとしても

長くは続かないというのが過去の結果のようです。

インデックスファンドとアクティブファンドの説明(前置き)

一般的に株価指数や債券指数など

運用評価の基準となるベンチマークに対して、

その指数に連動するように作られるのが

インデックスファンドです。

 

例によって分かりやすくザックリ解説しますが、

アメリカの株式市場の代表的な指数で

「S&P500」という株式指数があります。

 

アメリカの代表的な企業500社の

株式の動き方に連動するのが

「S&P500という株式指数」です

 

そしてその「S&P500という株式指数」に

沿った成果を目指すために作られた

「投資信託」がいくつかあり、

代表的なものでeMAXIS Slim米国株式(S&P500)

というインデックスファンドがあります。

 

このインデックス=指数、

を上回る利回りを狙う。

あるいは指数にとらわれずに策定されたものが

アクティブファンドと呼ばれるファンドです。

 

なのでアクティブファンドとは、

「ある目的があり意図を持って作られた

インデックス以上の成果を目指すファンド」

というようなイメージで良いかと思います。

回転売買するよりインデックスファンド買っておく方が無難

ちょっと前置きが長くなりましたが、

本書では、個別株やアクティブファンド以上に、

結果としてインデックスファンドが投資家にとって

一番好ましいのだと記されています。

また今度、アクティブファンドと

インデックスファンドの解説をしようと思いますが

ここでは著者が述べていたポイントを一点紹介します。

 

人々が一時的に熱狂したアクティブファンドは

ほとんどのケースで、次の時代には下落する。

長期的に見て長続きしたアクティブファンドや

トレンドというのは無いのだ!

と本書では主張されていました。

 

全てのアクティブファンドが悪いという訳ではないですが

ボラティリティ(値動き)が小さくするようなファンド

というのもありますので。

 

このことから、トレンドを意識した

過度な回転売買は避けた方が良い

と言えるかと思います

 

インデックス投資の基本は

長く成長が見込めるファンドへの投資ですので

上記の内容も推奨される理由の一つだと思いました。

リスクを減らす学問、現代ポートフォリオ理論

株式投資におけるリスクとは何か

という議論はまた追って説明するとします。

 

現代ポートフォリオ理論を

物凄くかみ砕いて説明していきたいと思います。

(できるだけ数字は使わず)

 

私が2つの会社の株式を保有するとします。

2社の株価が同じような条件下で上下動する場合、

 

例えば企業にとってプラスの情報がサプライズとなり

上方向への変化の時は利益が2倍に。

 

逆に悪質な経営実態が明らかになったなどして

下方向への変化の場合は損失が2倍となります。

逆に2社の株価が逆方向に動く場合

利益も損失も実質相殺される分、値動きは小さくなります。

 

このようにして、

分散によりリスクを小さくするということが

現代ポートフォリオ理論の基礎になっています。

 

ちなみにこれをよく「相関」

という言葉で表現されます。

資産(アセットクラス)の分散

古くから株式と債券は相関関係にあると言われており、

 

株式が上昇するときは債券が下落し

債券が上昇するときは株式が下落する。

というのが通説でした。

株式と債券は相関関係にあるというのが

運用の古くからの常識です。

最悪な状況下では、資産クラスでも対応が難しかった

上記のことから、

投資対象のアセットクラス(資産をどこに振り分ければよいか)

という点について考えると、

相関関係が低い(逆の動きをしやすい)

ポジションに振り分けていくのが良いかと思っています。

 

しかし例えば株式と債券

逆の動きをしやすい資産クラスに振り分けたとしても

リーマンショックのような大暴落が来た場合

落差こそあれ、結局すべて下がってしまうということが

書籍内で記されていました。

 

そう考えると、

株式も債券も暴落したとして

運用を追加できるような余剰資金を

現金で保有しておくということも必要なんだと思います。

2023年の株式と債券の状況は(米国を例に)

例えば、ということで

書籍の中にはないですが2023年度の

アメリカの株式と債券について振り返ってみましょう。

2023年のアメリカの株式は以下の推移でした。

全体で10%程度上昇しました。

逆に債券はというと10%下落しました。

逆の値動きをしていましたね。

 

しかし大暴落があった

リーマンショック時、あるいは直近のコロナショックのときは

どうだったかというと

株式も債券も軒並み下がりました。

 

これはどういうことかというと、

暴落があったときはみんな

「株式も債券も売却して現金化する」

ということだと言えると思います。

もっと下落するだろうと考えて

現金化して手元に引き戻した方がいいだろう!

安全だろうと考えるということのようです。

 

よって通常時は株式と債券は逆の動き方をする。

そのため株式と債券に資産を振り分けておくと、

リスクヘッジになると言えるかと思います。

 

規模に差はありますが、

リーマンショックやコロナショックのような

暴落が来たときは、株式債券どちらも下がることがあり得ますから

下がったときに買い増せるようなポートフォリオ、

資産の配分にしておくのが好ましいようですね。

まとめ

ウォール街のランダムウォーカーという書籍から

学びをアウトプットしてみました。

 

理論的な話もそうですが、

ファンダメンタル分析のスキルは実践も必要かと思いました。

学びとアウトプットを繰り返していこうと思います。

 

それでは、今回はこの辺りで失礼します!

最後までご覧いただきありがとうございました!