資産運用
昨年2022年12月9日に金融庁の市場制度ワーキンググループで
「顧客本位タスクフォース」の中間報告が行われました。
この報告書の中で「顧客の立場に立ったアドバイザー」という項目があります。
方策の一つとして、一定の中立性を有するアドバイザーの見える化に取り組むことが考えられる。
具体的には、諸外国では、アドバイザーが提供できる商品・サービスの範囲や、顧客からのみ報酬を得ているかどうか等に着目している点を踏まえ、我が国においても、
(i)アドバイザーが金融商品の販売を行う金融事業を兼業しておらず、家計の全体最適とポートフォリオの最適化の観点から、幅広い金融商品を対象としたアドバイスが可能かどうか、
(ii)金融商品の組成・販売会社からの手数料等を受け取らず、報酬は顧客からのみ得ているかどうか、
等の基準を、例えばⅢにおいて述べる金融経済教育を推進する中立的な常設組織が設定し、基準に該当するアドバイザー(以下、「認定アドバイザー」という。)をリスト化・公表することが考えられる。
ということで、金融庁としても中立的なアドバイザーを育成していく方針を打ち出していくようです。
その報告を受けて、先週金融庁の方々が弊社にヒアリングをしに来ました。
この認定アドバイザーをどのようにしたらよいのか?
中立的なアドバイザーが果たしてビジネスとしてやっていけるのか?
というような点を中心に議論しました。
弊社としては、この中立的なアドバイスをビジネスとして長年やってきたわけですので、こうした時代の流れは嬉しい限りです。
一方で議論については
ちゃんとしたアドバイスができる人材を育てなければいけない(既存のビジネスの中ではそのようなアドバイス人材が育っていない)
中立的なファイナンスのアドバイスができるようなソフトウェアの開発とその支援が必要
という点をお伝えしました。
私の考えでは、中立的なアドバイスをビジネスとして展開することはもちろん可能(弊社もその一つである)だが
残念ながらしっかりとしたアドバイスができる人材が決定的に不足している。
そしてその育成には時間がかかるので、良質なソフトウェアを開発して利用することで(米国ではそうなっている)
比較的経験の少ないアドバイザーでもしっかりとしたアドバイスができる環境を整える
のが一つの解になるのではないかとお伝えしました。
おそらく、こうした各種ヒアリングを通じて、この「顧客本位タスクフォース」は完成、
来年以降政策化されていくと思いますのでそれを楽しみに待っております。