レポート

セミナー報告

2021年8月開催「幸せの5つの要素」セミナー~健康編~活動報告

UPDATE 2021.10.02

幸せな暮らしは健康な体があってこそ――美と健康の栄養学

 

「あなたは、あなたの食べたものでできている」

僕が栄養学にのめり込むようになったのは、僕の周りで大事な人たちが大きな病気に苦しんだことが始まりでした。僕の妻は、娘を妊娠したときに生死の境をさまようほどの妊娠中毒症にかかり、その後も重症の片頭痛に悩んだ時期がありました。その娘は、3歳ぐらいからかなりひどいアトピーを発症しました。健康自慢だった父ががんで亡くなるという経験もして、僕は医学以外で健康や美にアプローチできるものをずっと考えてきました。そして行き着いたのが「栄養」だったんです。独学ですが、専門家の方にもご指導いただいて、いろいろなことを学び、実践してきました。現在は、国際オーソモレキュラー医学会というところで食事療法やサプリメント療法など、科学療法とは別のアプローチで行われるいろいろな療法を勉強しています。

ということで、今日はみなさんに、僕がこれまで学んで実践してきたことから、栄養と美、栄養と健康についてお伝えしていきたいと思います。

栄養を学んでいると、「あなたは、あなたの食べたものでできている」という言葉が必ず出てきます。僕たちの体は食べるものに左右されます。だから、必要な栄養素を食事やサプリメントから摂りつつ、不必要なものをなるべく控えることがとても重要なのです。

私たちの体を作る重要な栄養素

まずは、私たちの体にとって重要な栄養素についてお話ししましょう。

ビタミンC

ビタミンCには本当にいろいろな働きがあります。その一つが感染症に対する抵抗力を高めること。ごく簡単に言うと、白血球やリンパ球の働きを活発にしてくれるんです。中国では、コロナの重篤患者の症状を改善するためにビタミンCの点滴を行うという動きもありました。

ビタミンCはコラーゲンの弾力のもとにもなります。肌、血管、臓器、骨など、体のいろいろな組織や器官において、コラーゲンはとても重要な成分です。繊維を3本巻いた3重らせんが何十本も並んで一つのコラーゲンになっていますが、その3本の繊維をくっつける際に必要な成分がビタミンCなんです。

もう一つお伝えしたいのが、老化の原因となる活性酸素の働きを抑えるという働きです。

 

ビタミンD

簡単に言うと、ビタミンDは免疫機能をコントロールしてくれます。ナチュラルキラー細胞など、がん細胞も攻撃してくれるような細胞を活性化させることが分かっていますし、肺炎など、体内の炎症の原因となる免疫機能の暴走を抑える働きも期待できます。アメリカのトランプ元大統領は、コロナウイルス感染から回復後、ビタミンDを処方されていました。

それから、骨を作る上でビタミンDが重要ということはよく知られていますね。

 

亜鉛

亜鉛もさまざまな働きをします。特にお伝えしたいのは、体内にウイルスが侵入したときに、ウイルスの増殖を邪魔してくれることです。また、亜鉛の不足は味覚障害、嗅覚障害につながることも知られています。コロナウイルスに感染した人たちの中には、「味が分からなかった」「においが分からなかった」という方がたくさんいらっしゃいます。先ほど説明した通り、ウイルスに感染すると体内では亜鉛の消費量が上がって亜鉛が不足するので、このような症状も現れてくるのでしょう。

 

ビタミンB群

体内のエネルギー代謝を助けたり、体内でタンパク質を作ったりと、いろいろな働きをする栄養素です。“群”とあるのは、B2、B6、B12など、いろんなビタミンBがあるからで、個別に摂るよりも”ビタミンB群”という形で売られているサプリメントでまとめて摂ったほうが基本のバランスがとれます。

 

この他、繊維質も積極的に摂っていただきたい栄養素です。繊維質を摂ると腸内細菌にかなりプラスの影響があります。また、白色脂肪細胞という、脂をためこむ細胞が脂肪をためにくくなります。繊維質が血糖値の上昇を抑えてくれるという報告もあります。

また、EPA、DHA、あるいはオメガ3といった油は脳の神経の伝達機能を向上させると考えられています。これらも積極的に摂るよう心がけてください。

 

なお、何がどれくらい必要かは、やはり個人差があります。食事で十分に摂れる方もいれば、食事で摂りきれない栄養素をサプリメントで補う必要のある方もいらっしゃいます。あまりにも不足してしまった場合には、点滴でダイレクトに栄養を送り込んで症状の改善を目指す、という治療もあります。

 

糖質の摂りすぎは老化につながる

では次に、体に「不必要なもの」について、老化をできるだけ抑えるというポイントからお話します。

老化の原因について、僕は大きく6つの原因があるとお伝えしています。「酸化」、「糖化」、「炎症」、「腸内環境の変化による栄養素の吸収率低下」、「各身体組織の幹細胞数の減少」「幹細胞の不活性化」です。このうち、「酸化」と「糖化」について特に知っていただきたいと思います。

「酸化」とは、分かりやすく言えば体がさびる。つまり、体の中で活性酸素が生成されるということです。活性酸素は激しい運動後、食後、それから大量のアルコール摂取時などに発生します。紫外線を浴びた時や、身体的、精神的に各種のストレスを受けたときも発生します。また、活性酸素にはいくつか種類があるのですが、知っていただきたいのがヒドロキシラジカルです。これはとにかく反応性が高く、他のものをさびさせやすいので、ヒドロキシラジカルが血管にたまると血管がどんどんボロボロになっていくと言われています。血糖値が30分の間に250ぐらいまで急激かつ大幅に上がってしまうと、血管の中にヒドロキシラジカルが発生するというデータもあります。

「糖化」は、糖質を摂りすぎたときに、過剰分がタンパク質と結合して起こる現象です。先ほど、私たちの体のいろいろな部分にコラーゲンが含まれているというお話をしましたが、このコラーゲンに糖分が結び付き、糖化が進みます。すると柔軟だった組織は、コラーゲンが失われ固くなります。例えば骨は、カルシウムがむき出しになって折れやすくなります。肌なら弾力性がなくなっていきます。また、糖化が起こると組織は茶色くなるのですが、これによって肌の透明感もなくなっていきます。

実は、老化には糖質が深く関わっています。ですから「不必要なもの」とは、糖質の多い食べ物のことです。

まずは小麦です。麺やパンに比べれば、お米の方が日本人の体質に合っています。砂糖は短時間で急激に血糖値を上昇させます。最近は人工甘味料が使われるようになってきたので少しデータが変わってきていますが、砂糖が使用されているコーラなどの飲み物には注意してください。スポーツドリンクも糖分が多いです。運動をしていない平常時には控えた方がいいでしょう。ジュース類は、生の果物をミキサーでしぼったものなら繊維が摂れるのですが、売っているジュースは繊維が壊れているので血糖値が上がりやすいです。日本酒も糖度が高いので要注意です。和菓子は、実は最も老化を促進してしまうと考えられる食品です。糖質のかたまりですから。同じ量のケーキなら、糖質以外の油や卵も含まれていて、比較すると上昇値は低めです。なお、最近は低糖質や無糖をうたった製品がありますが、これらは人工甘味料を使っています。人工甘味料は、摂り過ぎるとがん発症のリスクが高まるという報告もあります。低糖質系のスイーツを1日1個食べるくらいなら問題にはならないと思いますが、毎日繰り返せばやはりリスクは高くなります。砂糖と併せて、人工甘味料にも気を付けてくださいね。

また、血糖値上昇によって体内ではインスリンが分泌されるのですが、インスリンは余分な糖分を脂肪に変えて体に蓄えるという働きがあります。ですから、糖質の摂りすぎは肥満にもつながります。

 

「必要なものを摂り不必要なものを避ける」、気合いを入れて基本を徹底して

では、皆さんに実践していただきたいことを「気合いの入れ具合」の割合とともにまとめましょう(笑)。

皆さんの気合いを100%として、まずは、「必要な栄養素を考えて食べる」ことに30%の気合いを注いでください。特に、お肉と魚介類を食べてタンパク質を摂り、適量な野菜を食べて繊維質を摂ること。野菜というとビタミンのイメージが強いですが、僕は繊維質を摂るという意味でおすすめしています。

同じように30%の気合いで取り組んでいただきたいのが、「不必要なものを避ける」ことです。過剰な糖質ですね。最近は血糖値上昇を抑えるドリンクもそろっているので、糖質を摂るときに一緒に飲むのもいいと思います。

そして、20%ぐらいの気合いを注いでいただきたいのが、「必要な栄養素を補う」こと。最後に、残り20%の気合いを、適度な運動をすることと良い睡眠を取ることに10%ずつ使ってくださいね。ちなみに、激しい運動は活性酸素が大量に発生するので老化を促進してしまいます。

体調をコントロールするためにも、皆さんも栄養素について理解を深め、学んだことを実践していってください。食品もサプリメントも手軽に取り入れられるので、できるものから取りかかってほしいと思います。