レポート

資産運用

50代から考えるリタイア後の資産設計

UPDATE 2023.12.01

松本です。

読んでいただきありがとうございます!

さて今回は、

リタイア後の資産取り崩しに関する考え方を

私なりに解説してみようと思います。

 

難しいのは、資産が減っていく方が多い一方で

自分自身の、あるいは親の介護や健康問題など

考えるべきことが無くならないことでしょうか。

 

不安の無くならないセカンドライフで、

道標となる見通しを立てることができれば、

より前向きに生きていくことができるかと思います。

今日はそんなことをまとめてみます!

考えるべきことは?

考えるべきことはこの順番で7つであると思います。

勿論人によって、資産状況や健康状態

家族構成も異なるかと思います。

その上でこの7つが考えるべきことかなと思います。

①     今後どのくらい生きるか

②     最終的に資産をどうするのか

③     資産の延命措置の方法検討

④     運用の必要性

⑤     資産取り崩し方針の決定

⑥     運用方針の決定

⑦     豊かなお金の使い方

①今後どのくらい生きるか

人間の寿命は年々長くなっており、

厚生労働省の令和4年調査によると、

男性で81.05才、女性で87.09才となっています。

 

その時点から何年生きるか

という平均余命で見ると75才の平均余命はこんな感じです。

男性12.04年

女性15.67年

 

ですので、現時点では95才くらいまで

資産を持たせることができれば

ほぼ問題が無いのではないでしょうか。

②最終的に資産をどうするのか

意外と考える機会がないのが、

使い切れなかった資産をどうするのかという問題です。

子どもや相続対象となる人がいない場合であれば、

残った資産は国庫に帰属します。

 

Die with ZEROという書籍では、

資産を取り崩して最終的に資産を使い切って

「資産ゼロで亡くなる」ということが示されていました。

 

しかし現実には

資産ゼロで亡くなることは難しいです。

 

ただ、自分の資産を最終的にどうするのかということは

運用をするとしてもしないとしても、

早い段階で意思決定しておくことが大切です。

 

残った資産は子どもに、、

といったとしても資産を受け継ぐのなら早い方が有難いです。

例えば、私が親から100万円貰うとして

自分が60代になってから貰うより

30代の子育て期に貰う方が有難いわけです。

(勿論有難いのは変わりないですが)

 

そういった意味で、

「資産の出口をどうするのか」は早めに考えるのがよいでしょう。

③資産の延命措置を考える

リタイアメント層の資産については、

ほとんどの家庭で資産の延命措置を図ることが

必要になってくると考えます。

 

リタイア後のお金の流れは

おおまかに以下の流れかと思います。

厳密には、今年の資産残高×運用利率+(収入合計)ー支出ですが、ここは簡略化。。

 

仮に65才の夫婦2人で金融資産が2,000万円

年金収入が200万円

年間生活支出が400万円とすると

毎年200万円の赤字ですから、

75才の時点で資産が枯渇してしまいます。

 

より確実な資産延命措置として、

定年後も継続雇用やパートで働く(勤労収入を伸ばす)

ことが考えられます。

④運用の必要性

先に挙げたケースで説明すると、

夫婦2人で65才以降10年間、

継続雇用やパートで年間100万円の収入を得られたとします。

 

すると今後10年間の赤字は-100万円となり

80才まで資産を延命することができそうです。

 

勤労資産だけでは難しいのであれば、

金融資産収入(運用による収入)も考えていく必要があります。

 

運用については、

現時点で金融資産が潤沢にあり

金融資産収入が全く必要ないケースもあります。

 

私は全てのケースで必要かというと

そうではないのだと考えています。

下手に手を出して心の平穏と今後の未来を

乱されるようでは意味がないので。

 

ただ、60代でリタイアをしたとして

今後30年くらい生きるとすると

やはりそれなりの期間があります。

 

効率的に運用を行うことで、

自分の老後に使える資産が増える可能性もありますし

お子さんがいれば相続する資産にもなります。

 

私は現時点で資産運用をしていますが、

リタイア後も続ける予定です。

⑤資産取り崩し方針の決定

さて、労働収入で資産を保つことに成功したとして、

今ある資産を取り崩す必要がある方も多いです。

 

そういった場合どのように取り崩すのが良いでしょう。

イメージが付きやすいのは、

年間の赤字分(不足分)を毎年引き出す方針ですよね。

 

ここで先ほどのケースとは違った例で

説明していきたいと思います。

 

65才の夫婦で

現役の頃から資産運用を行ってきました。

現預金1,000万円と

投資信託2,000円を外国株式で運用してきたとします。

(※分かりやすくするため単純化してます)

 

手元1000万円は万一のために取っておきたい。

そこで2000万円を運用しながら取り崩すとします。

 

毎月の赤字が仮に10万円だとして

年間120万円ずつ取り崩すとします。

 

この場合のリスクとして、

運用の収益率のバラつきによるリスクが挙げられます。

収益率配列のリスクと言います。

 

リタイアメント層の金融資産に関する書籍を

多く出されている野尻さんという方のリンクを貼りますので

ご興味ある方は見てみてください。

 

要約すると

45才~100才までの期間を前半と後半に分けて考えたとき、

 

前半の運用成績が良い場合と

後半の運用成績が良い場合で

トータルの運用成績が同じでも

結果が大きく異なるということが書かれています。

 

ざっくりと何が言いたいかまとめます。

先程のケースで

・65才以降

・取り崩し期間前半の運用成績が悪い場合に

・毎年120万円を取り崩していくと、

・思ったより早く資産が減っていく!!

ってことです。

 

定額ではなく毎年の残高ベースで定率で取り崩すのが

理論上は好ましいと考えています。

 

ただ、毎年毎年正確に取り崩すのは大変ですから

(そこまで細かく自分でできる自信はない、、)

 

取り崩すのであれば、

まずは資産上問題ない状態にしていく。

問題がないと分かった上で

取り崩していけばいいのだと思います!

こちらの書籍にも詳しく載っています

⑥運用方針の決定

では実際にどのように運用していくのがよいでしょうか。

運用方針の決定は以前この記事にまとめています!

 

日本の一般的な家庭の多くのが、

リタイア後には 収入<支出 となるでしょう。

 

そうすると年間の収支は赤字になります。

この赤字幅の約10年分の金額を「現預金」として残しておき

それ以外を運用に回していくことが1つの方針です。

 

つまり、

今後10年間使わない金融資産があるならば

運用に回しておいて、

10年後にまた運用から取り崩して現預金を確保する。

というサイクルを繰り返していくイメージですね。

 

何で10年なの?

5年分の赤字を持っておけば良くないですか?

と突っ込まれてしまいそうですが、

その解答は、金融庁が出している以下のデータを

参考にお伝えしていきたいと思います。

金融庁:長期・積立・分散投資の収益性

 

まとめ

今回は50代から考えるリタイア後の資産設計

という記事を書いてみました。

 

例として取り上げたものは簡易的なものなので、

本当はもっと色々と考えることがあります!

あくまでイメージが付けば良いかなと考えています。

 

実際にはもっと正確に

シミュレーションを考えつつ、

お客様の考え方や今後していきたいことなどを

お伺いしつつ設計をご提案しています。

金融資産推移のイメージ図

毎年のお金の流れを見える化

 

日々お客様と接する中で、

悩みというのは本当に無くならないものだなと感じています。

 

資産のことや将来のことは不安の種であり、

そういった不安を抱えていることで、

本来やりたいことができなかったり

もう一歩、踏み出すことが難しかったりします。

 

自分のやりたいことをしてもらう

自分の人生を生きるということは大変です。

 

難しいことではありますが、

リタイア後の人生を豊かに過ごせる人を

少しでも増やしていけるよう、

サポートしていきたいと考えています。

 

それでは、今回はこの辺りで失礼します!

最後までご覧いただきありがとうございました!