お客様の声

リーマンショックで毀損した資産の回復

リーマンショックで毀損した資産の回復を、小屋さんに依頼しました

木戸 俊之様

木戸俊之様(仮名)は、東京近郊にお住まいの63歳。大手企業で営業職を勤めたのち、現在は定年退職して自適の日々。趣味は旅行、演劇鑑賞、落語鑑賞など。

※お名前は仮名。設定も一部変更してあります

最初は証券会社に相談していた

「証券会社に相談してもラチが空かないと分かった」とは具体的には。

ある時期まとまったお金が入ったので、証券会社に依頼して投資信託や保険で運用していましたが、2008年のリーマンショックで保有額が大きく毀損してしまいました。

このとき「証券会社に相談してもラチが空かない」と分かったので、知人の紹介で知った小屋さんに、資産回復のためのプランニング、コンサルティングを依頼した次第です。

現在は、資産はほぼ元の状態に回復しました。

小屋に「まとまったお金」の運用プランニングを依頼

木戸様は小屋にどんな業務を依頼していますか。

これは根本のところからご説明します。

当時は証券会社3社と付き合っていました。いずれも両親の代から出入りしている会社で、私もその付き合いを引き継ぎました。

今から考えると、当時は全てが証券会社のペースに乗せられていた気がします。

彼らのやりたいことは結局のところ、

  • 「株が上がった時(トクしている時)は、⇒ もっと買わせる」
  • 「株が下がったとき(損したとき)は、⇒ その株は売らせて(損切りさせて)、別の株を買わせる」

という2つでした。平たくいえば「とにかく売り買いさせる(寝かせさせない、じっとさせない)」ということです。

証券会社は売買手数料で利益を得ているので、自ずとそうなるわけです。

その勧誘も巧みでした。

証券会社はこちらの心情を知っている

どんな勧誘をしてくるのですか。

まず前提として、こちらには「財産を殖やしたい心」があるわけです。昔の預金金利が高かった時代、つまり銀行に預けるだけで数年~10年で預金が倍に増えた時代であれば、迷わず銀行に預ければ良いのですが、最近のほぼゼロ金利の状態ではそうもいかない。そうなると、自ずと株式や投資信託に興味が出てきます。

その心情を前提に、証券会社は勧誘をしかけてくるわけですが、勧誘といっても「情緒的な誘い」ばかりではなく、説明は常に論理的でした。ただ、この「論理的」というのが曲者だったのですが。

その上で情緒ではなく論理に訴えてくる

「論理的な説明が曲者だった」というと具体的には。

彼らは、特に株が下がって損をしたときほど説明が論理的でした。まずは損をした理由について「それはこうです」と筋を通して明確に説明してきます。

よくよく考えれば、株が下がった「後」から言う話は、理屈はどうにでも付けられるので、論理的だからといって別にすごいことではありません。しかし商談の場では、そうした「一応の理屈が通った話」を、40代の男性営業マンが落ち着いた雰囲気で話すと、つい納得してしまいます。

そうして「納得感」の土台ができると、担当者は「損失を挽回するため」という名目で次の投資信託銘柄を勧めてきます。そのときも説明は一応、論理的で、この投信なら上がる、その理由は、ブラジルでオリンピックとワールドカップに備えて設備投資が進んでいるとか、ちょっと前なら北海油田がどうとかカリフォルニアの年金組合が運用成績が良いとか、時々の社会情勢に基づいた一応の根拠をもって勧めてくるわけで、損を取り戻したい気持ちもあり、つい納得して契約してしまいます。

その後は、銘柄が上がれば買い増しを勧めてきますし、下がったときは、また同じように、下がった理由を説明した上で、新たな銘柄を勧めてくる、この繰り返しです。

今のは契約を得るための勧誘の例ですが、一方、解約を検討したときの「引き留め」もスゴかったですね。

絶叫して引き留められたことも

どんな「引き留め」があったのでしょうか。

ある時期、オバチャン女性が営業担当になったときがありました。とにかく明るくて愛嬌がある人でした。わたしは自分自身が営業職だったので、こういう「愛嬌ある営業」には弱い、つい好感を持ってしまいます。

でもあるとき投資信託の解約を検討したときのこの女性の対応はすごかった。証券会社の一室で「解約を検討しています」と告げたら、「ダメーッ」と絶叫してきました。理由も何もない。解約のカの字でも出そうなら、すぐ「ダメーッ」です。いやはや驚きました。

証券会社というのは一事が万事この調子で、それでも運用成績がそこそこ好調なときは別に良いのですが、2008年のリーマンショックで資産が大きく目減りしたときは、さすがに静観できなくなりました。

まずは証券会社に相談しましたが、何度話しても誠実な回答はかえってきません。ここまで来て、さすがに私にも、証券会社の行動原理や背後のからくりが分かってきたので、もう証券会社はあてにはできないと思い、見切りをつけました。

それから、どうしたものかと思案していたところ、知人の紹介で小屋さんのことを知った次第です。

まずはお会いして、詳しく話を聞いてみることにしました。

小屋と証券会社の決定的な違い

小屋と話してみて第一印象は?

小屋さんは証券会社と根本的に違うと思ったことが一つあって、それは小屋さんは「市場や資産形成に関する私の考え方を、とりあえず認めてくれる」ということでした。

これに対し証券会社の営業マンは自説を絶対に曲げませんでした。自説と私の意見が違うときでも、私に同意することは決してありませんでした。

このことだけは論理的な男性営業マンでも、愛嬌満点のオバチャン営業マンでも、新卒のたどたどしい営業マンでも、全員に共通することでした。

証券会社の営業マンが自説を曲げない理由

ここで小屋さんに質問です。証券会社の営業マンが「自説を曲げない、顧客に合わせない」というのが意外です。営業マンというのは、お客の言うことには「そうですね、お客様のおっしゃるとおりです」と話を合わせて、いい気分にさせておいて、最後はちゃっかり成約を取っていく、というイメージがあるのですが。

小屋実は証券会社の営業マンが自説を曲げないことには理由があります。簡単にいうと「会社からそうしろ」と命令されているので曲げないのです。

証券会社では時期によって、何らかの投資信託が、「全社的重点販売商品」に設定されます。営業部門は会社から「今期は、このファンドを全力で販売せよ!」と言われます。

このとき会社は営業トークも用意します。「そのファンドを勧める理由」、「お客の前で言ってよいこと、いけないこと」など細かく指示します。

会社が営業トークを指定するのは全社的なリスク管理のためです。つまり、「営業マンは、会社が用意したこの営業トークで売ってくるなら、何かトラブったときでも会社としてバックアップしてあげましょう。でも勝手なトークで販売して顧客とモメたときは、会社はあなたを助けてあげられませんよ」という性質のものです。

そう言われてしまうと現場営業としては、我が身を守るためにもそのトークを使うしかありません。その保身の原理は、理論型男性営業マンだろうが愛嬌タイプのオバチャンだろうが、全員の行動に共通するものです。

これが証券会社の営業担当のトークが全員、同じである理由、そして彼らが顧客の気分を犠牲にしてでも自説を曲げないことの理由です。

木戸様この他、小屋さんの方が証券会社よりも、「提供可能な商品バリエーションが多い」という印象もありました。これは証券会社の営業マンが自社商品しか売ることができないのに対し、小屋さんは独立系なので何でも売れるということがその理由でした。

話し合いをする中で現在の資産内容(=証券会社との契約内容)をお見せしたところ、「この契約内容ですと、木戸さんが目標としている資産形成コンセプトに合わないもの、正直にいうと『無意味なもの』も混じっています」との指摘がありました。

なかなかショックでしたが、とにかく小屋さんの方が証券会社より信頼できることは確実に思えたので、いったん小屋さんにお任せすることにしました。

小屋が採用した資産回復の方針

再び小屋さんに質問です。木戸さんの資産回復はどのような方針で行ったのですか。

小屋基本的には、しっかりと安定的なポートフォリオを組んで、その後は適切にリバランスを行っていくというファイナンスの基礎理論を使いました。

いったん既存した資産を急激に回復すること、いわゆるV字回復は無理です。長期的に論理的に、一喜一憂せず冷静に、地道に資産を回復させていくことを狙いました。

リバランスの考え方は、大きくは次のとおりです。

  • そのときの経済情勢、社会情勢の将来を考慮し、国内・海外の株式・債券に幅広く分散させる。この先、何が起こっても、安定的に資産を成長させられるようにする。
  • 3カ月に一度、状況を確認し、設定当初のバランスが崩れてきたら元に戻す(リバランスをする)

木戸様私は最初、このリバランスの考え方が理解できませんでした。すべてのポジションに分散させれば、どれかがトクをしてもどれかが損をするわけで、相殺してプラスマイナスゼロ。結局、資産は増えないのでは?と思いました。

小屋一見、木戸さんのおっしゃるとおりに思えますが、国内・海外の株式・債券に幅広く分散投資をした際には、大きく上昇するポジションや下落するポジションなど資産によって動き方が大きく異なります。

このように時間がたつと、複数の資産で、「大きくトクしたところから」や「少し損したところ」が出てきますので、成長した資産からは取り崩し、減少した資産を購入する、そして結果的には資産が少しずつ成長していく、というのがリバランスの考え方です。

イメージとしては、「市場というのは思い通りにはならず、毎回少しずつバランスが崩れる → 崩れたバランスは再調整する(リバランス) → これを繰り返して、長期的に少しずつトクを積み上げていく」というものになります。

この手法の良い点は「長期的には上手く行く確率が高い」ということです。一方、短所(?)は「短期的に大成功はしない」「地味な手法であり、ワクワクすることはない」「時にはもどかしく、イライラすることさえある」ということです。

なお証券会社のように、多数の銘柄の売買を繰り返させて売買手数料を稼ぐというビジネスモデルでは、こうした中長期で資産を形成していくという手法があまり理解されておらずに、営業マンからこうした手法は勧められることがありません。

株の自力運用は、好きじゃないと続かない

現在、小屋に資産運用アドバイスの依頼を検討している人に向けて、「先輩ユーザーとしてのアドバイス」などあればお聞かせください。

私もそうでしたが、定年退職を迎えるとなると、資産は増やしたいし、株にも少し興味あるし、だけどファイナンシャルプランナーを頼むのは出費がかかるから避けたいし、そもそも時間だけはこれからたっぷりあるんだし、いろいろ勉強しながら自力で資産を増やしていけばいい…、そう考える方もいらっしゃるかもしれません。

その気持ちはよく分かりますし、実は私も小屋さんに資産運用をお任せしてからも、それとは別に少額資金で自分で個別銘柄を選んで売買して…という時期がありました。しかし、やってみて分かったのは「こりゃ、好きじゃないとできない…」ということでした。

株を本気でやろうと思ったら、来る日も来る日も前場、後場を追いかけることになります。そうなると一日じゅう、ずっと株価が気になってしまう。これは好きじゃないとできません。

私の場合は、「オレはそこまで株好きじゃない、もっと他にやりたいことがあるし」と思って止めました。株による資産運用を自分でやろうと思う人はまず、「自分はそこまで株が好きか?」「時間をつぎこめるのか?」と自問してみることをおすすめします。