資産運用の考え方
04_資産形成ダイナミックメカニズム①
資産形成を行う際のポイントとして「資産形成ダイナミックメカニズム」という考えがあります。
この考えは私たちが親しくさせていただいている、現在早稲田大学MBAで教鞭をとっていらっしゃる米田隆先生からお聞きしたものです。
米田先生の了承をいただいて、皆様にもご紹介したいと思います。
資産形成を行うにあたって、必ずしも一つのことに取り組めばよいわけではないという原則、をわかりやすく示しています。
図が少し細かいので、図の内容をテキストにしたもので解説していきたいと思います。
Ⅰ.収入の拡大
ヒューマンキャピタルバリューの拡大
投資資金の運用利回りの向上
Ⅱ.支出の抑制
ライフスタイルコストの抑制
資産形成のアドバイスをしていると、多くの人が「資産運用」に取り組めば、資産形成ができると思っているのを感じます。
しかし、資産形成で一番大事で、誰しもが最優先で取り組まなければならないのは、「資産運用の優先順位」でもご説明したように自分の収入を拡大することです。
この自分のバリューを最大限に高める努力が、資産形成には一番効果的なのですが、その点を見過ごしてしまっている人が多いように思います。
それを踏まえて、収入を拡大させるためにできることを解説します。
Ⅰ.収入の拡大
収入を増やすための第一歩として重要なのは、ヒューマンキャピタルバリュー(人的資本)を拡大することです。
①健康寿命の延伸
まずは、健康面です。
「健康」でないと仕事のパフォーマンスを上げ、収入を増やすことは難しくなります。
また実際に加齢に伴い、仕事をしていて体力が必要だと痛感することも増えてきます。
まずは自分の身体についてよく知り、最高のパフォーマンスが出せる状態に調整していくことも資産形成のうえでは実は最も大事なことの一つです。
これに加えて、定期検診に加えて、脳・肺・心臓のドッグなどを受診し、自分の身体の状態を定期的に把握し、自分の健康状態をしっかりと把握しながら、できるだけ長期間健康で働ける状態を作るかという事に対してもしっかりと時間とお金を投資することが大事です。
②生涯学習の継続
長い期間、ビジネスの現場で稼ぎ続けようと思うのであれば「生涯学習」が欠かせません。
世の中が速いスピードで変化していきますので、しっかりとその状況に対して学習をして知識や行動をアップデートしていくことが重要です。
スマートフォンが世に出たのはわずか10年ほど前です。
そこからあっという間に世界中で普及しましたが、皆さんはしっかりと機能を使いこなしているでしょうか?
スマートフォンなどの身近なものだけでなく、近年主流になりつつあるクラウドサービスや、資産運用とも深く関わってくるブロックチェーンについての最低限の知識など、変化し続ける世の中に対してしっかりとキャッチアップできるように学び続け、行動を変え続けられる努力が、長く稼ぎ続けるための大きなポイントなのです。
③人的ネットワークの拡充
仕事とは、人と人の間で行われるものです。
私たちも起業してから痛感しましたが、やはり仕事とは人とのつながりの中で信頼をベースに発生するものだと理解しています。
それが、大企業になればなるほど、個人ではなく組織としての関係に陥りがちです。
しっかりと人と人とのコミニュケーションを取り、信頼できる個人の人脈を広げていくことが長く働くためには重要なことではないでしょうか。
癒しの源泉(strong ties)とは、先程の身体の状態を維持するのと同様に、心の状態を維持するために重要なものです。
そのためには、お互いにリラックスできるような親身な人間関係が必要です。
とても分かりやすく言えば、プライベートな家族や恋人などとても親しい人たちから精神的な活力を得ることができる状態にあるかという事です。
そして、最後はビジネスチャンスの源泉(weak ties)
これは、ビジネスのチャンスやヒントは、普段日常的に付き合っている人たちではなく過去に一緒に仕事に取り組んだ仲間であるとか、趣味の仲間であるとか、勉強会の仲間であるとか直接仕事で接している人々とは異なるところがきっかけになることが多いという事のようです。
意識的に自分のことをある程度理解してくれる人を増やしておくと、このようなきっかけを生み出す可能性が広がるという事なのだと思います。
最後に、資産形成に取り組むのであれば、まずは自分の収入について意識を向けることが重要です。
おそらく多くの人にとって、金融資産の利回りを上げることよりも、自分の収入を少し上げる方が資産形成にとって大きな効果を生むことができると思います。
こうしたことにしっかりと取り組んだうえで、余剰資金をしっかりと運用していくという姿勢で資産運用に取り組むと、気が付いたら資産形成ができているというものなのです。
特に20代~30代の年齢の若い方は、まずは自分の収入を向上させるための取り組みをしっかりと考えることがなによりも重要です。