資産運用の考え方
05_資産形成ダイナミックメカニズム②
ヒューマンキャピタルバリューを拡大させるために必要な要素として、もうひとつ上げられるのが、時間当たり生産性を向上させることです。
すべての人間に平等に与えられている時間の価値をどれだけ高めることができるのかということがテーマです。
Ⅰ.収入の拡大
ヒューマンキャピタルバリューの拡大
①1時間当たりの効率を向上
まずは、個人の1時間当たりの仕事単価を上げることが必要です。
サラリーマンでも大企業から中小企業まで、賃金の格差があるとすれば、この企業ごとの「稼ぐ仕組み」がどれくらい強固なものであるかどうかが差になってきます。
大企業になればなるほど、この「稼ぐ仕組み」が給与に反映されますので個人のパフォーマンスよりも、組織としての仕組みの方の影響が大きくなります。
ですから、個人が優秀でなくても、組織の仕組みが強いので、高給だという事は十分にありえます。
一方で、中小企業や個人事業の場合には、正反対です。
組織としての「稼ぐ仕組み」が弱い企業が多いため、逆に個人のパフォーマンス頼りになりがちです。
ポイントは、継続的に稼ぎ続けられる「仕組み」を構築しなくては個人の作業は減らないだけでなく、人間の作業や活動時間には限界がありますので収入にも限界が生じます。
結論としては、組織で働く人は、なるべく作業的な仕事に没頭するのではなく「仕組み」を構築する側に回らなければ仕事の付加価値は高くならないと考えるべきでしょう。
収入を高めたいと思うのであれば、先程述べた「仕組み」を構築する側、言い換えれば付加価値の高いことを仕事にする必要があります。
そのためには、なるべく自分の時間の中で作業的な仕事に取られる時間を減らす必要があります。
これを考えるには、自分の時間当たりの労働単価を計算して把握しておくことが重要です。
例えば、月収が50万円の方が、
週5日×4週×8時間=160時間
を労働に時間を割いているとします。
そうするとこの方の時間当たりの単価は
50万円/160時間=3,125円/h
と計算することができます。
この方の時給は3,125円ですので、その単価よりも低い単価でできる仕事にはできるだけ時間を割かない方が効率的だという事です。
例えば
「Excelに数字を入力する、集計する、会議の議事録を作る」
など時給1,000円前後でアルバイトの方にも頼める仕事をしていては、付加価値が高まらないという事になります。
特に、中小企業や個人事業主ほど、組織としての力が弱いのでこうした時間当たりの単価を意識して仕事をするとパフォーマンスの大きな改善につながります。
時給の高い経営者や企業幹部の方などは、外部の秘書サービスや派遣の方などを利用して、事務系のお仕事をアウトソースすることも検討するとよいでしょう。
②ネット労働時間の向上
ネット労働時間の向上については、仕事時間の使い方ですし、仕事術的な本も沢山ありますのでその方が詳しいテクニックは理解できると思いますのでここでは詳しくは解説しませんが、こういったことにこれまで注目してこなかった方はぜひ一度本を読むなどしてノウハウを身につけていただくのがよいと思います。
一点、付け加えるとするならば、移動時間の削減です。
仕事をするうえで移動時間はどうしても必要になるものです。
しかし、必要以上の移動時間は大きく生産性を損ねる原因になりかねません。
最近はテレビ電話会議のシステムも安価であったり無料で普及していますので、それらを最大限活用し、生産性に繋がりにくい移動時間を極力減らすことを心がけてください。