資産運用の考え方
07_資産形成ダイナミックメカニズム④
資産形成のためには、収入を増やすだけでなく、支出を抑制することも重要です。
そのために考えるべきことに触れておきたいと思います。
Ⅱ.支出の抑制
ライフスタイルコストの抑制
ライフスタイルコストの抑制
色々なところでよく言われる話ですが、お金を持っている人に
「どうすればお金が貯まるのですか?」
と質問をすると
「入ってくるよりも使わなければお金は貯まります」
と答えられるという話があります。
お金は、入ってくるお金の額よりも使うお金の額が少なければ自然と貯まっていくものです。
当たり前の話ですが、十分な貯蓄額を貯めている人が少ないことからも誰もが実践するのは難しいのかもしれません。
一方で、普段資産家の方と接することの多い我々は、資産家の行動をよく観察しています。
資産家の方の多くの特徴として上げられるのが、慎ましく派手なお金の使い方をしない人が多いことです。
一般的な人が描くお金持ちのイメージと、我々アドバイザーが触れるお金持ちの実像にはかなりのギャップがあります。
固定資産の代表的なものは「自宅」の不動産です。
最近、経済学者のロバート・フランクが周囲との比較で満足を得るものを「地位財」、他人との相対比較とは関係なく幸せが得られるものを「非地位財」と整理しました。
「地位財」の具体例は、所得や貯蓄、役職などの社会的地位、家やクルマなどの物的財。
一方の「非地位財」は、健康、自由、愛情などです。
こうした、「地位財」の代表的なものが自宅でもあります。
資産に占める自宅の割合が高い方は、「地位財」にお金を使う傾向も高く、支出の抑制に苦労するタイプです。
そもそも、こうした「地位財」の入手による幸福度は長続きしないとも言われており、「地位財」の割合の高い方は注意が必要です。
生活費の水準は、本当に各家庭まちまちです。
コンサルティングをしている現場では
「この家庭は資産運用に取り組むよりも、生活費水準を見直した方が効果的だな」
というケースが多くあります。
例えば、1,000万円の金融資産を保有している人が、資産運用に取り組んで1%の利回り向上ができて資産の増加する額は年間10万円です。
(税引き後だとおよそ8万円になってしまいます)
しかし、同じ人が月1万円の生活費の見直しができるのであれば、その効果は年間12万円の資産増加につながります。
どちらが簡単に取り組めることでしょうか?
またどちらが効果的でしょうか?
こう考えると、資産運用に取り組む前に、自らの家庭の支出水準をもう一度考え直す方が資産形成の手法としては簡単で確実になるケースが多いのです。
私たちが相談に乗るケースでも9割程度の家庭は、生命保険の加入額が不必要に多いと診断をしています。
合理的に生命保険に加入するだけで、毎月の支出が抑えられ、それが自らの資産の増加につながります。
資産運用に取り組むよりも
・自分の収入を最大化する
・自分の支出を適正に見直す
事の方が、重要で確実な方法であることがご理解いただけたのではないかと思います。
皆さんも、まずは収入、支出についてもう一度見直してみてください。