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また、その他資産運用に関する様々なコンテンツをお届けします。イベント司会者日本一を目指して。フリーアナウンサー青木源太さんに聞いた、仕事とお金のはなし – 後編
小屋青木さんが資産運用を始めたのはいつぐらいからですか?
青木源太さん(以下、青木)アナウンサーになって3年目、2008年からですね。リーマンショックの後です。たまたまでしたが、今思えば投資を始めるタイミングとしては良かったと思います。家族に金融機関の関係者が多かったのもあって、投資に対する抵抗感は元々なく「そのうち必ずするもの」だと思っていました。
小屋最初は株式投資ですか?
青木そうです。日本の輸出関連企業を買っていました。なんとなくですが、当時から少子高齢化が問題視されていたこともあって、日本の内需が先細りしていくと思っていたので、外国市場で稼いでいる会社、海外にシフトしていく企業に注目していました。ちょうどファーストリテイリングが海外出店の攻勢をかけている時期だったので、そういった企業に目が向きましたね。
小屋リーマンショック後の株価が回復し、アベノミクスにつながっていく時期でしたから株式投資を始めるにはいいタイミングでしたね。
青木リーマンショックについては、マーケットが崩れていてチャンス! みたいな判断はありませんでした。当時と今とで考え方が変わったんですが、20代の頃は「投資は余剰資金でやるもの」という考えだったんです。だから、社会人3年目でお金が貯まって、そろそろ株式投資をしてみようと思ったタイミングが、たまたまリーマンショックの後だったという感じです。
小屋2008年からということは、資産運用を始めて16年目ですね。日本テレビを退社されて独立したのが37歳、資産運用が独立を後押ししてくれたという側面はありますか?
青木そこはあまり関係なく、自分の中のキャリアとして日テレでやりたいことをやりきったので、独立しようと思いました。資産運用とキャリアは別物でとらえてます。投資は「75歳になった自分に褒めてもらおう」と思ってやっているので、資産ができたから独立しても大丈夫、という考え方ではなかったですね。
小屋そうなんですね。ちなみに、今はどんなポートフォリオになっていますか?
青木米国株式インデックスと米国個別株を中心に、投資信託や債券、暗号資産、金などへ分散投資をしています。
小屋米国株をやってみようと思ったのはいつ頃ですか?
青木2010年にある証券会社の担当者に出会ったんです。僕の資産もまあまあ大きくなっていて、その人が担当としてついてくれました。向こうからするとたくさんいる顧客の1人だったとは思うんですが。
彼は当時、外資系の証券会社にいて米国株に詳しかった。それで僕は総資産とライフプランを踏まえてどれくらいのリスクなら取れるのか、どのようにポートフォリオを組むかなど、その人から投資のあれこれを教えてもらいました。結果的に7、8年修行させてもらった感覚です。
小屋なるほど。ネット証券は使わなかったんですね。
青木今思えば、手数料が結構かかっていたと思いますが、それは授業料として考えたら、払った以上の価値があるものです。初心者向けの記事では、必ずと言っていいほど手数料の安いネット証券がお勧めとされていますが、それはどうでしょうね?
つみたてNISAを設定するくらいは頑張って自分でできると思いますが、自分なりのポートフォリオを組みたい、個別株をやりたい、となってくると、アドバイスしてくれる専門家の存在に大きなバリューが出てくると思います。
最近もまさにそうですが、いろいろなニュースが出て、大きな値動きがあるとどうしても不安になります。そのとき気兼ねなく聞ける人がいる安心感、それが長期の資産運用を支えてくれると思うんですよね。
小屋証券会社の担当者さんは情報を無料で提供し、その代わりに売買手数料を受け取っていたわけですが、僕たちはマネープランのアドバイスに対して報酬を受け取ることを仕事としています。お客さまと一緒にライフプランニングを立てながら、そのために必要なマネープランを提案して、取引はネット証券を使ってやっていただく、という仕組みなんです。
青木すごくいいですね。
小屋僕たちのように「アドバイスに対して報酬をもらい、商品は売らない」というスタンスのFPがいるということ、まだまだ日本では知られていないんです。
青木信頼に足るアドバイスをしてくれる人が近くにいるのはとても大事だと思います。資産運用はある程度その人にお任せして、自分は本業に集中することができますから。僕自身、今があるのは当時の担当者さんに気軽に聞ける環境があったからだと思っています。
青木2018年以降は、その担当者さんから離れてアメリカの個別株を運用しています。これは当時のTwitterでアメリカの企業の決算書やニュースレターを翻訳してくれる人たちが現れたからなんです。その中から「この人は信頼に足るな」という何人かをみつけたことで、状況が変わりました。
例えば、日経新聞出身で今は独立されている後藤達也さん。日経時代にニューヨークからSNSを通じてどんどん情報を発信していて、日経の記者という安心感もあるし、添付されている資料も丁寧で、信頼できました。それは2008年には想像できなかったことです。
小屋そうですね。買った株がものすごく下がったとか、マーケットが崩れたといった経験はありますか?
青木ありますよ。コロナショックのときの、狼狽売りです。株式投資の世界には「頭と尻尾はくれてやれ」というように、さまざまな相場の格言がありますよね。あれは頭では理解できていても、やっぱり自分が体験してみないとわからないですね。
コロナショックで保有株を売却したとき、自分では狼狽売りじゃないと思っていたんです。もっと下がるだろうと思って売る判断をした。でも結局、その後にコロナバブルで上がっていったわけだから、あれは狼狽売りだったんだなと。
小屋もしその時に担当者がいたとしたらアドバイスを聞いていたと思います?
青木もちろんです。失敗もしていますし、人と違う特別なトレードをしているわけでもありませんから。投資に関して、僕は自分の考えを広めたいという思いは一切ないです。自分の投資哲学を喋りたいとか、投資を勧めたいという気持ちはありません。
ただ、ある程度の経験は積んできているので、金融系のイベントの司会はやっていきたいです。知識がある人間が進行した方が、イベントの充実度が上がると思いますから。
小屋たしかにそうですね。
青木自分の知識をひけらかすのではなく、いろいろわかった上で専門家の話を噛み砕きながら進めていく、そうすることでクライアントが伝えたいことも伝わると思うんです。最近もとある地方の金融機関の方々が一同に会するイベントのお仕事の依頼がありました。分野の一つとして、金融イベントにはこれからも積極的に関わっていきたいですね。
小屋そういえば、最初に「美容と投資には共通点がある」と言われていましたね。あれはどういうことですか?
青木例えば、僕は今日もしっかり日焼け止めを塗っているんですけど、これは75歳の自分に褒めてもらおうと思ってやっているんです。今日、日焼け止め塗ったから、保湿したから、といって明日急に肌がきれいになることはありませんが、でも、その一日一日を積み重ねていった最後には、絶対に大きな差が出るんです。積立投資と同じですよね。
小屋なるほど。時間をかけて効いてくる。
青木来月の評価額がどうなるかはわからないけれど、今月もちゃくちゃくと積み立てた方がいい。それは来月のためじゃなくて、30年後40年後の自分のため。だから、すごく似ていると思いませんか? 美容と投資。僕は資産運用に関して特別なことはしていません。本業に力を入れ、入金力を高めて、長期、積立、分散の原則を守って粛々と進めていくだけです。
青木源太(あおき・げんた)
フリーアナウンサー
1983年生まれ、愛知県岡崎市出身。2006年にアナウンサーとして日本テレビへ入社。巨人戦や箱根駅伝などのスポーツ実況を始め、『PON!』『バゲット』『火曜サプライズ』のMCなどを担当した。現在はフリーアナウンサーとして関西テレビの情報番組「旬感LIVE とれたてっ!」のメインMCを務める。
また、「日本一のイベント司会者」を目指し、年間約100本を超えるイベント司会を担当しており、その他防衛省広報アドバイザー、愛知県岡崎市観光伝道師など様々な広報活動にも従事している。
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小屋 洋一(聞き手)
株式会社マネーライフプランニング(公式サイト) 代表取締役
1977年宮崎県生まれ、東京育ち。2001年慶應義塾大学経済学部を卒業し、総合リース会社に入社。中小企業融資を担当した後、
2004年不動産流通業を行うベンチャー企業に転職。営業、営業企画等を経験し、2008年に退職。
同年にAFPを取得後、独立し、個人富裕層のアドバイスに特化した株式会社マネーライフプランニングを設立。
2010年にCFP®を取得し、現在に至る。
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