メンバーについて

小屋 洋一

「人生がより良くなるところに立ち会うのが、抜群に嬉しい」

小学生のころからお金や株の話に興味がありました。ちょうどバブル景気と呼ばれていたころで、周りの大人が株をやっていたんです。みんな素人投資家なんだけど、ちょっと儲かったら新しい家具を買ったりして。そういうのを見ていて、おもしろいなと思ったんです。

少ししてうちの父親が借金をするようになって。なんの借金だかわからなかったけど、お金がなくて大変な時期があったんです。結果として両親は離婚しました。お金の問題だけで家庭が悪くなってしまった。お金のマネジメントがきちっとできていれば、そんなことにならなかった。それで、お金の運用に関わることを仕事にしようと決めました。

社会人のスタートは、リース業をする会社の営業です。中小企業を回って社長とお金の話をするんですけど、どの社長も、ビジネスの話を楽しそうにするわけですよ。それが面白くて、自分も社長になりたいと思うようになりました。その後転職したのは、不動産のベンチャー企業です。小さな会社だったから、社長のすぐそばで働くことができて、いろいろ教えてもらいました。不動産についても勉強することができたし、景気もいい時期だったので楽しかったですよ。

31歳で独立しようっていうことだけは決めていたので、具体的になにをするかは定まらないうちに会社を離れました。これまでのことを振り返って考えたとき、金融の現場でも不動産の現場でも、情報や知識が薄いがゆえに損している人たちに出会うことが多かったんです。生命保険に入らなくてもいいのに不安でたくさん加入している人、知識がなさすぎて適切でない家を買ってしまう人。金融や株、不動産のことがよくわかるようになって、無駄がよく見えるようになりました。僕がアドバイスに入ることで、もうちょっと人生楽になる人がいるんじゃないか。そう思って、会社をつくりました。

最初はけっこう大変だったんですよ。保険や投資の商品を売るということではなく、資産運用のアドバイスでお金をもらうというビジネスは、当時ほとんどありませんでした。だから価格設定みたいなところが難しかったんです。僕がちゃんとした給料をもらえるまでに7年ほどかかっていますからね。資産運用のアドバイスをすることの価値をお客さんに理解してもらえるようになるまでは、それなりの時間が必要でした。

それでも続けてこられたのは、僕らが会って、コンサルティングやアドバイスをして、人生がよくなっていくことに関われるから。そういうところに立ち会えると、抜群にやってよかったと思うわけですよ。

人気のラーメン屋をやっていた方が相談に来てくれたことがありました。人気店ゆえに休みがとれなくて、身体を壊していたんですね。ラーメン好きの僕も、何度か行ったことのあるようなお店です。話を聞かせてもらった上でキャッシュフローを計算して、結果、仕事をやめて身体を大事にしたほうがいいんじゃないか、とお話しました。お店は繁盛しているから、40代前半でお金や財産は貯まってきていたんです。素直な人で、提案を受け入れてスパッとお店を辞めました。それからは体調も良くなって、海外で子どもを育てたいってオーストラリアに移住して。お子さんが大きくなった今は沖縄に戻ってきて、趣味が高じてジムのインストラクターをやっています。

僕らと会ったことをきっかけに大きく人生が変わって、かつ財産的にも問題がない状態が続いている。自分だけで判断できたらいいけれど、やっぱり繁盛してるお店を閉めるって不安じゃないですか。身体が大事なのはわかっていても踏ん切りがつかない。そういうタイミングで関わって、その家族の人生が大きく、いい方に変わっていくのを見ていると、この仕事をやっていてよかったと思います。

僕らも提案するときには、それなりの覚悟がいりますよ。僕らの提案を選択して、駄目になっていったら、僕らの責任は重いですよね。アドバイスしてその通りに進むことを決めていただけるなら、僕らもその人の人生を背負っていくような気持ちでいます。誰にでもその人の生活があって、家庭がありますから。

僕にもまだ小さい子どもがいます。5歳と3歳です。昨日は3歳の子どもを連れて散歩に出たら、地下鉄に乗りたいって言い出して。電車が好きなんです。結果、4時間ほどの長い散歩になりました。

知識や経験がなくて困っている人はやっぱり多いんですよ。保険のセールスマンから勧められたんだけど入っていいんだろうか、証券のセールスマンがいいって言うけどどうなんだろうとか。疑問に思っても、それを誰に聞いたら答えてもらえるのかさっぱりわからない。僕らのような存在がいることを、もっと知ってもらう仕組みをつくっていきたいと思っています。

アメリカでは僕らのような仕事をしている人が多くて、プロ目線で資産運用のアドバイスをしています。金融商品を買う人たちが賢くなるから、手数料が高いとか、意味がない商品が売れなくなっているんです。無駄なものをつくろうという意識が業界的になくなっているんですね。日本の場合は、無駄な商品でも知識がないから売れてしまう。買い手側が成長しないと、このサイクルは良くならないんです。

今後は僕らのようなアドバイスができる人を増やしていきたいと思っています。会社のメンバーはもちろん、日本全国でアドバイスできる人が育つような環境づくりに取り組んでいきたいと考えているところです。

経歴

  • 2001年
    慶應義塾大学経済学部卒業
  • 2001年
    株式会社興銀リース(東証一部)入社
  • 2004年
    株式会社ジ・アース(旧社名IDU、東証マザーズ)入社
  • 2008年
    株式会社マネーライフプランニング設立